矢田の虫送り(八幡神社)

【祭礼日】7月第一土曜日(雨天の場合は翌日)
【場 所】八幡神社(常滑市矢田字谷海道53)

【日 程】19:00~20:00

「虫送り」は、農作物の害虫を駆除しその年の豊作を祈願する目的で行われる伝統行事で全国各地で行われています。矢田では6月下旬に「ウンカ送り」を行い、7月上旬に虫送りを行います。この二つの行事は対をなす虫送りの行事です。

「ウンカ」とは稲の害虫となる体長5mmほどの昆虫のことです。源平の合戦で、平家の武将斎藤実盛(サネモリ)は稲の切り株に馬が脚をとられ落馬したところを討ち取られたので、実盛は怨霊となり稲を荒らす害虫になったのだといわれます。

このため、矢田のウンカ送りでは「実盛人形」を作って稲の害虫を追い払おうとし、虫送りでは実盛人形の代わりに松明を持って稲の害虫を追い払おうとします。

当日夕闇が迫るころ八幡神社で、青竹の芯に藁束を巻いた2本の松明を社殿に立てかけ祈祷の神事を行った後、提灯を持つ八幡講総代と区長を先頭にして2本の松明・太鼓・法螺貝を持つ行列が、矢田川の手前にある矢田集落センターに向かいます。

センターの広場には数えきれないほどの松明が横にして置かれています。太さ20~30cm、長さは2~4mもあり、短いのは子供用ですがそれでも必ず大人が一緒に持つように指示されます。

神社からの行列がセンターに着くと、全員が松明を持って並びます。センターから矢田川に架かる島田橋を渡った橋の袂には火床が用意され、神社の神火から火床に点火されます。

八幡講総代と区長を先頭にして松明を持った行列が島田橋を渡り、火床の火で松明に点火し一列の行列になって矢田川堤防を進みます。堤防の草はこの日のために火事にならないようにきれいに刈り取られています。1Kmほど西にある矢田橋の手前で燃え残る松明を集めて燃やします。

火の点いた松明を持ち間隔を大きく開けるので、行列の先頭が矢田橋に着いた頃でも最後尾の太鼓と法螺貝は島田橋辺りにいるのだそうです。

 

       祈祷した松明             矢田集落センターで松明を持つ

 

    神火から点火した火床                   講総代と区長を先頭に出発する

 

松明行列

 

    松明を持って進む親子                  矢田橋袂で松明を集めて燃やす

矢田のウンカ送り

矢田の虫送り

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