高浜七年祭・神幸祭(佐伎治神社)

【祭礼日】6月下旬の卯~酉の日までの7日間(巳・亥年)
【場 所】佐伎治神社(大飯郡高浜町宮崎59-3)

【日 程】一日目【神幸祭】7:40~8:20(宮入り=神社)、8:30~13:00(お田植え・神楽・太刀振奉納=神社)、9:10~13:00(お田植=広峰神社、南・横町・赤尾町の各区本陣)、13:30~夕方(神輿渡御=神社~各山元の御旅所)、15:00~20:00(太刀振=赤尾町・本町の各区本陣、中ノ山御旅所・東山御旅所)

「高浜七年祭(シチネンマツリ)」は佐伎治(サキチ)神社の式年大祭で、巳の年と亥の年を「まつり年」として行われ「まつり年」を含めて7年目ごとに行われることから「七年祭」と呼ばれています。

高浜七年祭は、かつて疫病や災厄の原因であると考えられていた御霊を鎮めるための「御霊会(ゴリョウエ)」のひとつとして行われ、450年以上の歴史をもつといわれます。

七年祭の組織】中ノ山(8地区)・東山(8地区)・西山(5地区)の三つの山元からなり、各山元にはそれぞれ異なる祭神の神輿があります。神輿の祭神は、中ノ山が素盞鳴命(スアノオノミコト)、東山が稲田姫命(イナダヒメノミコト)、西山が大己貴命(オオナムチノミコト)です。御旅所も各山元ごとにあります。

また祭礼期間中、中ノ山は7地区に本陣を、東山は8地区に本陣を構えます。西山には本陣はありません。また、東山の赤尾町区と横町区には本陣とは別に若者宿があります。

「太刀振」は、中ノ山(塩土区)・東山(園部・岩神・笠原区)・西山(子生区)がそれぞれ行いますが、「お田植」は中ノ山(事代区)が、「神楽」は西山(畑・立石・中寄区)が行います。

二日目以降に登場する「曳山」は、中ノ山に5基(本町・今在家・中町・大西・若宮区)、東山に2基(横町・赤尾町区)合計7基あり、それぞれ曳山芸能を奉納します。西山には曳山はありません。

七年祭の概要】七年祭では、お田植え・神楽・太刀振・曳山芸能・俄(ニワカ)などの各種芸能が、連日7日間に亘り繰り広げられます。

一日目は「神幸祭」で、佐伎治神社で各芸能が奉納された後、神輿3基が巡幸し、夕方各山元の御旅所に到着します。中ノ山が、午前中お田植を、午後から太刀振を各地の本陣などで披露します。

二日目は「奉納祭」で、早朝から7基の曳山が佐伎治神社に集合し、それぞれ順番に曳山芸能を奉納した後、各山元の御旅所・各区の本陣などで奉納します。曳山が一堂に集合するのはこの日だけです。各山元の太刀振・西山の神楽も御旅所・各区の本陣などで奉納されます。

三日目は、お田植え・神楽・太刀振・曳山芸能が各山元の御旅所・各区の本陣などで奉納されます。

四日目は「中日祭」で、神輿3基が8時から巡幸し、夕方各山元の御旅所に到着します。神輿が出る日は曳山芸能はなく、お田植え・神楽・太刀振が各山元の御旅所・各区の本陣などで奉納されます。神楽もお休みです。

五日目は、曳山芸能だけが各山元の御旅所・各区の本陣などで奉納されます。

六日目は、東山の赤尾町区の曳山芸能だけが赤尾町区の本陣と若者宿で奉納されます。

七日目は「還幸祭」で、早朝から神輿3基が各山元の御旅所から巡幸し神社に還御します。還幸祭の後、神社で神楽・太刀振が奉納されます。夕方から神輿3基が鳥居浜海岸で「足洗いの儀」を行います。この日の午前中、塩土海岸で太刀振が、事代海岸でお田植が奉納されます。

今回は、一日目の神幸祭・二日目の奉納祭・七日目の還幸祭を見学しました。

【神幸祭】早朝から中ノ山・西山・東山・神職の順で40分かけて宮入りします。各山ともそれぞれの山の額を掲げた白丁(ハクチョウ)姿の3人が先頭に立ちます。中ノ山の早乙女全員が一人ずつ、昔懐かしい藤製の乳母車に乗って宮入りする珍しい光景も見られます。

宮入りが終わると、中ノ山のお田植、東山の太刀振、西山の太刀振・神楽、中ノ山の太刀振の順で芸能が奉納されます。

【中ノ山のお田植】「ごよがの」・「大田植」・「小田植」の順で奉納されます。ごよがのでは6人の若者が鍬・エブリを左肩に担ぎ円陣を組み歌いながら踊ります。

大田植では鍬を持つ若者1人が田を耕す所作をした後、神職3人と10数人の早乙女との歌による掛け合いがあります。早乙女は模様入りの青の着物に赤の半襷を掛け花笠を被り、歌いながら手に持った扇子を苗に見立てて田植えの所作をします。

神社でのお田植の奉納が終わると、一行は神社を出て隣の広峰神社・赤尾町区・南区の本陣でお田植を奉納します。

【東山の太刀振】境内中央に数枚の筵が敷かれた舞台に清めの塩が振られ、車台に載った大太鼓が勢いよく打たれた後、大太刀・橋弁慶・白石噺(シライシバナシ)・佐倉宗五郎・藤乃棚の順で太刀振が奉納されます。

大太刀は裃姿の2人が薙刀を持って演舞します。以後の演目では、絵模様入りの着流し姿に黒の前垂れを着けた若者2~3人が、太刀・薙刀・鎖鎌・櫂・傘の採り物を替えて演舞します。

【西山の太刀振】裃姿の2人による大太刀の後、青の着物に絵模様入りの前垂れを着けた児童が、露払い・小太刀・棒振り・橋弁慶・日傘振りを

演じ奉納します。

【西山の神楽】二人立ちの獅子舞で、浴衣姿の笛方7人と締め太鼓を打つ鞨鼓2人の囃子に合わせて、幣の舞・剣の舞・本神楽・荒獅子(アレジシ)の順で舞いを奉納します。荒獅子では、獅子が暴れ回った後、僧衣姿に頬被りした天狗が現れ獅子の頭を扇で叩いたりして獅子を怒らせます。

【中ノ山の太刀振】黒紋付羽織袴姿の2人が大太刀を演じた後、着流し姿に白足袋・下駄を履いた若者1人が真剣の大薙刀を持って演じます。この演舞の時だけは舞台の筵は取り去られます。この後、彦山権現・白石仇討・橋弁慶・伊達風俗・長吉長五郎・藤の棚を演じ奉納します。

芸能奉納が終わると、三山の神輿が佐伎治神社から各山元の御旅所に渡御します。白丁姿の数十人の駕輿丁(カヤチョウ)が担ぐ神輿はひとしきり境内を練った後、中ノ山・西山・東山の順で神社を出発します。

この日午後からは、中ノ山の太刀振が赤尾町区・本町区の本陣と中ノ山御旅所で奉納され、東山の太刀振が東山御旅所で奉納されます。このうち赤尾町区・本町区本陣での太刀振を見学しました。

 

   宮入り・額(中ノ山)                         宮入り・早乙女(中ノ山)

 

  宮入り・太刀振(西山)                        宮入り・太刀振(東山)

 

 お田植え・ごよがの(中ノ山)                   お田植え・大田植(中ノ山)

 

  お田植え・大田植(中ノ山)                    お田植え・早乙女(中ノ山)

 

      大太鼓(東山)                           太刀振・橋弁慶(東山)

 

   太刀振・露払い(西山)                      太刀振・日傘振り(西山)

 

 神楽・笛方(西山)                        神楽・剣の舞(西山)

 

   神楽・荒獅子(西山)                        太刀振・大薙刀(東山)

 

    神輿発輿(東山)                            赤尾町区本陣(東山)

 

  太刀振・彦山権現(中ノ山)                   太刀振・白石仇討(中ノ山)

高浜七年祭・神幸祭(佐伎治神社) 

高浜七年祭・奉納祭(佐伎治神社)  

高浜七年祭・還幸祭(佐伎治神社)  

 

祭りの栞(トップ)

 

inserted by FC2 system