大田まつり・試楽(大宮神社)

【祭礼日】10月第一日曜日とその前日
【場 所】大宮神社(東海市大田町上浜田138)

【日 程】〔試楽〕14:00(四脇の山車集合=芝生広場東)、14:45(からくり人形操演=どんでん広場)、15:45(四脇どんでん大協演=どんでん広場)、16:00(四脇どんでん=どんでん広場)、17:00(お囃子発表会=芝生広場)、18:00(提灯祭り=どんでん広場)

〔本楽〕8:00(四脇の山車集合=郷中交差点)、8:25(荒古組どんでん=大里橋)、9:40(からくり人形操演・四脇どんでん=大宮神社)、12:20(からくり人形操演・里組どんでん=里組山車蔵)、14:40(市場組どんでん=市場組山車蔵)、15:30(黒口組どんでん=黒口組山車蔵)、16:20(四脇どんでん=どんでん広場)、18:30(四脇の山車解散=郷中交差点)

大田まつりは、江戸時代の後期に五穀豊穣・無病息災・疫病退散を祈願して大宮神社に傘鉾(カサホコ)を奉納したことに始まるとされています。その後、荒古・里・市場・黒口の各組が山車を建造・購入し、各組で津島神社を祀る祠(天王さん)を作り、大宮神社や天王さんを巡回する山車まつりが行われるようになったそうです。

現在は、大宮神社の例祭である10月第一日曜日を本楽、その前日の土曜日を試楽として、大宮神社社前で4輌の山車を揃えて山車の「どんでん」とからくり人形の操演を奉納した後、各組の山車蔵に設けられた天王さんの祠を巡回してどんでんとからくり人形を奉納します。また、名鉄太田川駅東側に設けられた「どんでん広場」でもどんでんとからくり人形が披露されます。

新型コロナウイルス禍により大田まつりは2年連続中止となり、今年3年ぶりに開催されました。今年は「大田まつり保存会」設立30周年にあたるのだそうです。

駅前にある観光協会で頂いた祭りのパンフレットを頼りに、四脇(大田まつりでは組を「脇」と呼んでいます)の山車が集合する「芝生広場」の東(大田町蟹田交差点)に向かいます。芝生広場はどんでん広場の東にあります。

どんでん広場通路の両側4ヶ所には、四脇の「祝儀竹」とでも称するのか、色とりどりの造花で飾られた竹笹に祝儀者名・金額が書かれた熨斗紙がたくさん付けてあります。竹笹に祝儀熨斗を飾り付けるのは珍しく初めて見ます。

蟹田交差点角には黒口組の山車蔵があり、すでに山車は蔵から出され揃いの法被を着けた若衆が山車を囲んでいます。13時過ぎ、神職が現れ黒口組の山車と祭りの担い手をお祓いします。神職は各脇の山車と担い手をお祓いして回り黒口組が最後のようです。

しばらくすると荒古・里・市場三脇の山車が芝生広場東に集まり黒口組も整列に加わります。

【山 車】大田まつりの山車は、二層構造の前壇に「唐破風(カラハフ)」の屋根がつく知多型ですが、台輪は内輪ではなく名古屋型の特徴の一つである外輪になっています。外輪には人が外輪に巻き込まれないように防護柵の「輪懸(ワガケ)」が設けてあります。

山車の全高は6m余、重量は4トンほどだそうです。山車の左右には直径20cm・長さ10mほどの梶棒が付いています。山車の下層は「胴山」と呼ばれ、大太鼓1台と締め太鼓2台を打つ3名が乗り込みます。笛方は山車の後側に立ち、太鼓とともに囃子を奏します。

山車の上層は「上山」と呼ばれ、高欄に囲まれ4本の柱で支えられた唐破風屋根の下にからくり人形が置かれます。

14時過ぎ、四脇の山車は列を組んでどんでん広場に向かいます。どんでん広場に着くと四脇の山車は横一列に並んで一斉にからくり人形を操演します。

【からくり人形】からくり人形はいずれも唐子衣装の人形で囃子に合わせて操演されます。観光協会のパンフレットによれば、各脇のからくり人形の動きは次の通りです。

黒口組:太鼓を叩く子人形を大人形が肩車し、その後、子人形が鳥の止まり木につかまりブランコをします。

荒古組:子人形2体が蓮台(レンダイ)を回転させ、この蓮台の上で大人形が逆立ちをして鉦を叩きます。

市場組:太鼓を叩く大人形の周りを、棒にぶら下がり神楽鈴を振る子人形が周回し、その後、子人形は大人形の肩で逆立ちをします。

里組:額に納められた白紙に大人形が筆で文字を書くという珍しいものです。書いている途中でも額が反転し、書きかけの文字を正面から見ることもできます。この日書かれた文字は「宴」でした。

からくり人形の操演が終わると、四脇の山車が互いに向き合う形に並び直され、四脇の山車が一斉に「どんでん」を協演し、その後、同じ場所で市場・黒口・荒古・里の順でどんでんが披露されます。

【どんでん】どんでんは、山車の左右に付けられた梶棒2本の前部をそれぞれ4人の若衆が担ぎ上げ、前輪を浮かせて山車を何度も回転させるもので、大田まつりの一番の見所となっています。

どんでんで山車を回転させる際、囃子はどんでん用の囃子に替わり、表裏が金と銀の扇を持った若衆が扇を扇ぎながら担ぎ手を激励します。里組は担ぎ手の人数が少ないので他の組の若衆が一緒に担ぎます。

どんでんの間、上山に乗っている若衆2~3人が紙吹雪を撒き散らすのですが、試楽では紙吹雪は撒かれませんでした。その分、どんでんの迫力をより鮮明に見ることができます。

どんでんが終わると芝生広場の西端に設けられた舞台で「お囃子発表会」が催されます。各脇の囃子方が里・荒古・黒口・市場の順で囃子を披露します。この間にどんでん広場では山車に赤の提灯が付けられます。

18時から提灯祭りが始まります。これまで提灯祭りは本楽の夜に行われていましたが、今年は試楽の夜に行うことになったそうです。提灯を付けた各脇の山車で同時に囃子が奏されます。20時頃から各脇の山車は囃子を奏しながらそれぞれの山車蔵に帰ります。

囃子方は、山車が蔵から出され蔵に戻るまで、お囃子発表会に出演する時間を除いて、山車の休憩時間を含め囃子を止めることは許されていないので、一日中、誰かが太鼓を打ち笛を吹いています。楽曲は各脇とも9~10曲あり、場面に応じて曲を替えているそうです。

 

祝儀熨斗を飾り付けた竹笹(どんでん広場)

 

   神事(黒口組山車蔵前)                  四脇の扇子持ち(芝生広場東)

 

  里組・荒古組の山車(芝生広場東)          市場組・黒口組の山車(芝生広場東)

 

  どんでん広場へ移動する                    四脇の山車(どんでん広場)

 

 黒口組囃子方(どんでん広場)                里組囃子方(どんでん広場)

 

黒口組からくり人形(どんでん広場)

 

 荒古組からくり人形(どんでん広場)          市場組からくり人形(どんでん広場)

 

里組からくり人形(どんでん広場)

 

  四脇の山車(どんでん広場)              市場組どんでん(どんでん広場)

 

黒口組どんでん(どんでん広場)

 

荒古組どんでん(どんでん広場)               里組どんでん(どんでん広場)

 

      お囃子発表会(黒口組)              提灯祭り(荒古組)

 

提灯祭り(里組)                   提灯祭り(黒口組)

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