富士宮まつり(富士山本宮浅間大社)

【祭礼日】11月3~5日
【場 所】富士山本宮浅間大社(富士宮市宮町1-1)

【日 程】3日【宵宮】9:00~10:00(宮参り・囃子奉納=神社)、10:00~21:00(山車引き回し・競り合い)4日【本宮】8:00~15:35(山車引き回し・競り合い)、15:35~16:35(本宮式典・一斉囃子・共同踊り=祭典本部前)、16:35~21:00(競り合い)、5日9:00~20:30(山車引き回し・競り合い)

富士山本宮浅間大社は、富士山信仰の広まりと共に全国に祀られた1300余の浅間神社の総本宮で、富士宮市は富士山本宮浅間大社の門前町として、また富士登山の起点として古くから栄えてきました。

富士宮まつりは、富士山本宮浅間大社の秋の例祭に、氏子町内が祭り囃子を賑やかに囃し山車や屋台を引き回し収穫と一年の無事を感謝する祭りで、現在の形式になったのは江戸時代末期頃だといわれています。

祭りは3日間行われますが、今回は本宮の4日午後の山車・屋台の引き回しと競り合いを見学しました。今年は、富士山世界文化遺産登録の記念すべき年ということで宵宮・本宮の競り合いの回数が増やされました。

【山車・屋台】当地では迫り上がり構造を持ち人形などの飾り物を載せているのを山車といい、構造が一層で飾り物がないものを屋台と呼んでいるそうです。氏子地域は、浅間大社の東を南北に流れる神田川を境に、川東と川西に分かれ全部で20区ありそれぞれ1基の山車か屋台を持っています。川東9区はすべて山車で、川西は8区が山車、3区が屋台のようです。

【富士宮囃子】静岡県の無形民俗文化財に指定されている富士宮囃子は、おおど(長胴太鼓)1人・きんど(締め太鼓)2人・鉦2人・笛1~2人が軽快なリズムで奏します。おおどとぎんどは山車の前部に3台横一列に括られています。

鉦打ちの2人は山車の前方両角から体を外に迫り出す特異な姿勢で鉦を打ちます。鉦打ちは下に落ちないように腰部に布などを回し山車に括りつけています。山車の引き回し時の鉦打ちは女性が担当し、競り合い時は男性に代わることが多いようです。

【競り合い】昔は道が狭く山車がすれ違う際、どちらが道を譲るかを囃子で競い負けた組は山車を引き下げて道を譲り、勝った組は昇殿を叩きながら山車を進めたそうですが、現在は競り合いを行う組同士が現場で競り合いの時間など詳細を取り決め勝敗を付けない決まりになっています。

すべての山車・屋台が集合し、祭典本部前での本宮式典と山車・屋台の一斉囃子が終わった頃から強い雨が降り出し、共同踊りは雨の中で行われました。この後、各山車・屋台はそれぞれの競り合い場所へと移動します。

夕刻からの競り合いは5回行われますが、第1回・2回・3回ともそれぞれ10ヶ所で同時に行われます。雨は止みそうにないので雨合羽とカメラ用雨カバーを着けて、祭典本部前での大中里区と常磐区との競り合いを見学しました。

高張提灯1対を両端に従えた両区の代表が相対して整列し詳細を打ち合わせた後、競り合いが始まります。2台の山車が囃子を奏しながらぶつかる寸前まで接近すると囃子は最高潮に盛り上がり、鉦打ちは相手の山車の方に身と鉦を迫り出し相手の囃子を負かそうとします。これが数分続き迫力満点です。

競り合いが終わると、両区の代表が横一列に並び相対します。御神酒を盛った盃を載せた角盆を両手に持った女性が相手の区の代表に盃を取ってもらい、両区の代表が揃って乾杯し手打ちの拍手をします。和議の儀式が終わると、揃いの着物を着た両区の女性による踊りが始まります。

この後も強い雨が止まないため第2回以降の競り合いの大半が中止となり3ヶ所だけ実施する旨放送されたので、このうちの2ヶ所、咲花・神立・大中里の3区による競り合い(3区の競り合いは異例)と木の花・常磐の2区の競り合いを見学しました。皆さん最後まで競り合いは激しく、和議の儀式は礼儀正しく、そして婦人の踊りは華やかに披露していました。

 

山車引き回し(常磐)                              本宮式典    

 

一斉囃子(貴船)                                 共同踊り  

 

競り合い(大中里・常磐)

 

競り合い(大中里・常磐)

 

競り合い(咲花・神立・大中里)

 

 踊り(咲花・神立・大中里)                     競り合い(木の花・常磐)

祭りの栞(トップ)

 

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