北川の鹿島踊り(鹿島神社)

【祭礼日】10月26~27日
【場 所】鹿島神社(賀茂郡東伊豆町奈良本1044)

【日 程】26日19:30(鹿島踊り=神社)、27日8:00(神事・鹿島踊り=神社)、9:00(鹿島踊り=浜の舞台)、9:30(鹿島踊り=防波堤)、13:30(子供船山車巡行)、15:00(餅まき=漁協前)、19:00(ビンゴ大会他=神社)

「鹿島踊り」は、茨城県鹿島神宮の神人による疫神送り(悪霊祓い)がその起源といわれ、千葉県、及び神奈川県西部から静岡県伊豆半島東部の沿岸部に伝播しています。北川(ホッカワ)は伊豆半島東岸の中央部に位置し、「北川の鹿島踊り」は鹿島踊りの南限とされています。

26日19時過ぎに神社に着くと、鹿島踊りの関係者が「長屋(チョウヤ)」と呼ばれる所で踊りの準備作業をしていました。時間になると、長屋の左側に座る保存会長・区長・氏子総代などが見守る中で、鹿島踊りが奉納されます。横長の狭い場所なので踊りづらそうに見えました。

それでも、鹿島踊り歌1~7番を歌いながら踊り、休憩を挟んでもう一度1~7番を踊ります。これで「一踊り」といい40分ほど要します。1~7番を1回だけ踊り終わるのを「半踊り」というそうです。

翌日、早朝から鹿島踊りが奉納されますが、踊りに先立って全員そろって神社前の浜に出て潮水で口を漱ぎ手を洗い身を清めます。その後、締め太鼓打ち・潮振り・鉾持ちを先頭にして踊り手などが行列を組んで神社に向かいます。これを「お上り」といいます。

神社に着くと、「カシマヤシキ」と呼ばれる神社の中庭で神職のお祓いを受けた後、本殿での神事と並行して鹿島踊りが一踊り奉納されます。踊りの全体を見ることができるので、失礼ながら踊りの前半は中庭の上から見学させて戴きました。

踊りの構成は、「シャアコ」(竿先)1人・「歌上げ」2人・「オカガミ」2人・踊り手19人・太鼓打ち1人の合計25人で、白衣に白帯を着け白足袋・わら草履を履いています。

シャアコは、右手に扇を左手に赤・黄・青の三色の幣が付いた黄金柄杓を持ち、歌上げは、右手に扇を左手に三色の幣を持ち、オカガミは、右手に扇を左手に三色の幣が付いた金(太陽)と銀(月)の木製の鏡を持っています。踊り手は、右手に扇を左手に白の幣を持っています。紫地の扇には赤の牡丹が描かれています。

踊りの隊形は、「マオドリ」と呼ばれる円形と「サオドリ」と呼ばれる方形(列形)を交互に繰り返し、マオドリでは、シャアコと歌上げは常に輪の中心にいて踊り方向を向いて踊ります。踊り手は円形の内側を向いたり外側を向いたりして踊ります。

サオドリでは、シャアコは踊り方向の最前列の真ん中に出て、歌上げは方形の中心にいてそれぞれ踊り方向を向いて踊ります。

踊り方向は、最初は、正面に向かってマオドリとサオドリで踊り、次からは時計周りに90度ずつ方向を変えマオドリとサオドリで踊り、最後は、マオドリで左向き(正面に向かって)に踊ります。

オカガミの2人は、踊りの方向が変わるごとに外対角線の互いの立ち位置を替えます。太鼓打ちは、常に踊り手の外側でかつ正面に向かって右隅に位置し、地面に据えた締め太鼓を片膝立の姿勢で打ちます。

踊りの初めに全員しゃがんで片膝立ちになり、シャアコが口上を述べた後に立ちあがって踊りが始まります。

カシマヤシキで一踊りし御神酒拝戴した後、行列を組んで「浜の舞台」に向かいます。これを「お下り」といいます。

防波堤の手前に設けられた板敷の特設舞台で半踊りし御神酒拝戴した後、海に突き出た防波堤でも半踊りして鹿島踊りは終わります。突堤での踊りは近年になって始まったもので、昔は、浜の舞台で踊った後、神社下にある禰宜宅で休憩・赤飯を食し、半踊りして手締めをしたそうです。

<鹿島踊り歌>

(口上)千早振る 神々のいさみなれば みろく踊り 芽出度や

一、この祭りはめでたい祭り 神も喜ぶめでたい祭り 世の中は萬劫(マンゴウ)祭り 彌勒(ミロク)御世が七続き

二、鹿嶋では稚児が踊り 御満堂(ゴマンドウ)では護摩(ゴマ)を焚く その護摩を何んと焚く 日本御祈祷と護摩を焚く

三、かんどりは四十九社(ヤシロ) 音に聞くさえ貴しや いざさらば我等もいでて 神をすすめて拝めよ

四、天竺の雲の間より 十三小女郎が米を蒔く その米(ヨネ)を何と蒔く 彌勒続けと米を蒔く

五、十七が澤に降りて 黄金杓(ヒシャク)で水を汲む 水汲まば袖濡れ候 襷を掛けそろなよ姫

六、天竺のちかいが女郎 蹈鞴(タタラ)踏む音聞こゆ 蹈鞴踏まば何んと踏む たたらたたらと八つ踏む

七、めでたいぞえ北川の浦に 彌勒舟がついたぞえ 艫舳(トモヘ)には伊勢と春日 中は鹿嶋の大社(オオヤシロ)

 

鹿島踊り(神社長屋)

 

        浜で浄め                          お上り(浜から神社へ)

 

 太鼓打ち(カシマヤシキ)                  鹿島踊り(カシマヤシキ)

 

   鹿島踊り(カシマヤシキ)                お下り(神社から浜の舞台へ)

 

鹿島踊り(浜の舞台)                        突堤に向かう 

 

鹿島踊り口上(突堤)                       鹿島踊り(突堤)

 

  鹿島踊り(突堤)                子供船山車(神社)

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