掛川大祭(龍尾神社)

【祭礼日】第二金~月曜日(辰・未・戌・丑年)
【場 所】龍尾神社(掛川市下西郷84)

【日 程】金曜日18:00~21:00、土曜日・日曜日・月曜日9:00~21:00

「掛川大祭(オオマツリ)」は、江戸時代中期から龍尾(タツオ)神社・神明宮・利(トシ)神社の3神社により、東海道五十三次26番目の宿場町「掛川宿」内の祭りとして行われてきた伝統行事で、現在では周辺の4神社(池辺神社・白山神社・津島神社・貴船神社)も加わり、7神社の氏子41町が参加する合同祭礼となっています。

初日の金曜日16時頃から各町で「会所開き」が行われた後、各町の氏子総代や青年総務が神社に参拝し御幣と注連縄を受け、御幣を屋台の高欄に掲げ注連縄を欄間に張り、屋台は夕方からそれぞれの町内を巡行します。

二日目の土曜日には神輿渡御・獅子舞「かんからまち」・「奴道中」・屋台巡行があり、三日目(日曜日)と四日目(月曜日)には「大獅子」も登場し、掛川大祭の三大余興と呼ばれるかんからまち・奴道中・大獅子がそろいぶみします。

今回は土曜日の祭りを見学したので大獅子は見学できませんでした。

当日、8時半頃に龍尾神社に着くと祓所(ハラエド)で神事参列者のお祓いをしているところでした。その後、拝殿で神事が行われ巫女姿の舞姫4人による浦安の舞が奉納されます。

1時間ほどで神事が終わると、社殿前で紺屋町の「木獅子の舞」と瓦町の獅子舞かんからまちが奉納されます。

【木獅子の舞】木獅子の舞は、掛川宿内の災難や病気などを取り除き清める「掛川宿鎮護大祓の舞」といわれる格式の高い獅子舞です。二人立ちの獅子舞で、笛と大太鼓の囃子に合わせて高く低く、天・地・人の三段に舞います。

かんからまち】かんからまちの獅子舞は、一人立ち三頭獅子で2頭の雄獅子が1頭の雌獅子を奪い合い、最後は雌獅子が仲を取りもち仲直りするというストーリーを演じます。

獅子頭の後ろに黒の尾羽根をつけた麻布を垂らし、獅子頭のあご下に黒麻の前垂れを下げています。囃子方のゆっくりとした笛の音に合わせて胸に付けた太鼓を打ちながら舞い、時々獅子頭を被ったまま側転したりします。

横笛を吹く約10人は、白の小袖・樺色の線形グラデーションの袴姿に一文字笠を被っています。

明応・文亀(1492~1504年)の頃、今川氏の家臣朝比奈備中守が掛川城を築いた際、龍尾神社に獅子舞を奉納したのが始まりとされています。

かつては、龍尾神社・掛川藩御三家・掛川宿本陣だけで舞い「路上では舞わない獅子」として知られ、現在でも各町会所前などの道で舞う時には、茣蓙を敷いてその上で舞を披露しています。

名前の由来は、かつて瓦町は神社の瓦を焼いていたので神瓦町(カミカワラマチ)と呼ばれていて、それが「かんからまち」になまったものといわれています。

【渡御行列】この後、龍尾神社から塩振り・榊持ち・猿田彦・獅子・横笛・神輿・稚児・従士などが行列を組んで御旅所に向かいます。この後ろから屋台38台も続きます。御旅所で神事をしている間に、西町の奴道中を少しだけ見学しました。

【奴道中】明治時代中期に当時の薩長政権になぞらえ、薩摩藩の大名行列を模して考案したとされています。昭和11年(1936年)の大祭を最後に戦争のため中断していましたが、昭和36年(1961年)、大名行列のうちの奴道中部分だけを復活させたそうです。

長柄の槍や大鳥毛を受け渡す「手替わり」もあるようです。御旅所に戻ると、各屋台の責任者が、龍尾神社から今朝もらい受けた注連縄を神社関係者に戻す儀式「注連縄返還の儀」が行われていました。

この後、御旅所前に敷かれた茣蓙の上で、巫女姿の舞姫4人による浦安の舞と獅子舞かんからまちが奉納されます。御旅所前といっても、歩行者天国になった駅前通りの交差点のど真ん中で「お祭り広場」の一角です。

【屋 台】掛川大祭での屋台は、江戸時代末期になってから登場しているそうです。屋台は「御所車型」といわれる二輪式の二層構造で、一層目には笛・大太鼓・三味線の囃子方が入り、屋台正面には締め太鼓2台を演奏するための出高欄が設けられ、二層目の跳高欄に囲まれた「浜床」には山車人形や獅子等が飾られます。

御旅所で注連縄を返した屋台は、「神幸祭」が終わると一旦各町に戻りそれぞれ自町周辺を巡行し、日が暮れる頃、再び御旅所に集まり還御する神輿を見送ります。

この後から無礼講としての賑やかな祭りに移り、屋台同士がすれ違う時に行われる「手木(テギ)合わせ」「徹花(テッカ)」という所作なども行われるそうですが今回は御旅所行事が終わったところで帰りました。

停まった屋台の曳綱の中で行われる長唄・清元や端唄(ハウタ)などの手踊り、かんからまちに同行する「花傘」・「花幌」なども見ず仕舞いで中途半端な祭り見物になってしまいました。

三日目・四日目であれば、お祭り広場で各町の屋台と手踊り・かんからまち・奴道中が見学できます。大獅子は三日目はお祭り広場には寄らないようです。

 

    木獅子(龍尾神社)                     かんからまち(龍尾神社)

 

渡御行列(かんからまち)                      渡御行列(猿田彦)

 

渡御行列(神輿)                          屋台(紺屋町)

 

    屋台(北門)                        屋台の注連縄返還の儀

 

奴道中

 

   浦安の舞(御旅所)                     かんからまち(御旅所)

 

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