桜ヶ池のおひつ納め(池宮神社)

【祭礼日】9月秋分の日
【場 所】池宮神社(御前崎市佐倉5162)

【日 程】13:00~15:30(おひつ納め)

比叡山延暦寺の高僧「皇円阿闍梨(コウエンアジャリ)」が、弥勒菩薩の教えにより人々を悩みから救うとして、嘉応元年(1169年)6月13日(96才の時)自らの身を龍と化しこの桜ケ池に入定され、後に皇円上人の高弟「法然上人」(浄土宗開祖)が桜ケ池を訪れ皇円龍神の安泰と五穀豊穣を祈り、赤飯をつめたおひつを神社に1個、桜が池に1個納めたことが「桜ヶ池のおひつ納め」の由来とされています。(神社境内の由来書看板より)

桜ヶ池は池宮神社の境内にあり、面積約2万平方メートルの大きな池で三方を鬱蒼とした椎林に囲まれています。この池そのものが池宮神社の御神体とされ、祭礼日の今日は、広い池全体に注連縄が巡らされています。

境内には、「皇圓阿闍梨大龍神」と書かれた大きな木牌が建つ祭壇があります。参拝の皆さんはご先祖の供養のため「水向けの杓(ヒシャク)」で木牌に水を掛けます。水向けの杓は、桜ヶ池が底なしであり諏訪湖に繋がっているという伝説に由来して底なしの柄杓になっています。

12時半過ぎ、榊持ち・大太鼓・猿田彦・神社旗・四神旗・神職・白丁(ハクチョウ)・御幣・吹き流し・遊泳団などの一行が行列を組んで参進し、池宮神社社殿に入っていきます。

今日の祭りの主役である遊泳団の若者約10人は、白の上衣に白の袴を着け、左腕の前腕を「吊り包帯」のような布の中に置き、両手の指10本と両手首に白の細い紐を結んでいます。どんな意味があるのかよく分かりません。

行列が神社社殿に入って間もなく、2人の神職が池の岸で茣蓙などに座っておひつ納めの行事を待つ見学者をお祓いして回り、神職の1人が池に向かって祝詞を奏上します。

その後、褌姿になった遊泳団の若者2人が御幣と五色の吹き流し2本を持って御神舟に乗り込み、櫓を漕いで北側の椎林の方に行きます。泳ぐ人を見守るようです。

他の2人が一人ずつ池の中に入り榊の枝を池に沈め合掌した後、対岸(椎林の方)へ泳いで行きます。しばらくすると赤飯を詰めたおひつを片手で持ち立ち泳ぎしながらこちらに向かい、池の中央でおひつを回転させ体重をかけて沈めます。これを見届けると境内にある鐘楼の釣鐘が「ゴーン」と1回鳴らされます。

これを8人ほどの若者が2時間かけて今年は65個のおひつを池に沈めました。おひつは直径40cmほどで奉納者の名前と住所が書かれ、中には4升5合の赤飯が詰められているそうです。

沈められたおひつはすべて数日で空になって浮き上がってくるので、これが「遠州七不思議」の一つとされています。浮き上がった空のおひつは希望する奉納者にお返しされるそうです。

 

皇圓阿闍梨大龍神の祭壇               遊泳団の若者   

 

         祝詞奏上                        遊泳団の若者が舟に乗り込む

   

池の中に立ち榊を沈め合掌する

 

おひつを取りに対岸へ泳ぐ                     対岸からおひつを運ぶ

 

 おひつを沈める                          鐘楼の鐘を鳴らす

祭りの栞(トップ)

 

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