八幡野の秋祭り

【祭礼日】9月第三月曜日と前日
【場 所】八幡宮来宮神社(伊東市八幡野1)

【日 程】日曜日13:45(祭式)、15:00(神社出発)、15:15(国道通過)、15:45(お仮屋到着)
月曜日13:40(還幸お仮屋出発)、14:10(国道通過)、14:30(還幸神社到着)

八幡野(ヤワタノ)の秋祭りは、伊東の秋祭りのトップを飾ります。二日目の月曜日は、神輿がお仮屋から八幡宮来宮神社へ還幸する日ですが、今回はこの還幸の様子を見学しました。
上記の還幸の日程は神輿ベースで、山車・万度が神社に着くのは15:30、全ての行事が終わったのは17:00でした。

【神 輿】来宮神社と八幡宮神社が合祀されているため神輿は2基あります。神輿を上から見てはならず、神輿が通る時は屈みこんで迎えねばならないとされており、みなさんこれをよく守っています。

【神輿の行列】露払い・太鼓・幟・榊・御神酒・巫女・神輿・幟・榊・御神酒・巫女・神輿の順です。神輿とともに進む行列は、露祓いと巫女以外は全員、口に紙を噛み神様に息をかけないようにしています。神輿の行列は、後ろから来る山車や万度とは歩調を合わせず、休憩なしでどんどん神社に向かって行きます。

【神輿以外の行列】上町山車・東町山車・万度・ゴマガラ山車・木遣り船山車の行列は、所々で休憩し国道135号線の手前で大休憩した後、神社に向かいます。据え屋台は名前の通りお仮屋からは動きません。

【囃 子】大太鼓1台.・小太鼓2台(1人は小太鼓だけを叩き、もう一人は大太鼓と小太鼓を叩く)・鉦1人・笛10人。還幸行列の出発前は据え屋台で囃し、行列出発後はゴマガラ山車に付いて囃します。ゴマガラ山車の上の太鼓役は2人単位で交代します。

【万 度】還幸の前にお仮屋で、女装した20人程の若者が70Kgの万度を代わる代わる持ち上げ、回し、地面に叩きつけます。地面に叩きつけることによって悪霊を追い払うといいます。これを何度も行うので万度というそうです。

万度の行灯4面には「西京五殿山川如悠遠供」「是万代不易」「東都鳳城天地同長久」「神懸也」と書かれています。万度振りは還幸の道中で何度も行われ、神社境内では、これが最後と万度を壊そうと勢いよく落とします。その隣では、ゴマガラ山車の囃子に合わせて婦人と子供が輪になって踊っています。

【ゴマガラ山車】胡麻の実をとった後の枝が山車に括り付けられています。祭りの一番最後に境内を一周した後、数十人の若者が曳く長い綱で、境内最上段の階段から参道まで100m程を、一気に引き摺り落として走ります。豊漁・豊作を占う行事だそうです。

【神 事】還幸した神輿2基は、境内の神輿安置所で休憩後、元屋敷(木宮神社が海辺から最初に移った場所)に、神輿1基だけが渡御し神事を行います。

浴衣の上に羽織・袴を着た8人が蹲踞して祝詞?を3回唱えます。この間に2度中断し、小桶に入ったオコワと御神酒を戴きます。神事が終わり神輿安置所に戻った後、松明と露祓いを先頭に神輿2基がそろって八幡宮来宮神社へ還御し神事が始まります。

【供 物】二人がそれぞれ、天秤棒で前に竹製の酒徳利と鯵を、後ろに榊の枝とズイキ(里芋の茎と葉)を担ぎます。元屋敷での神事には供物を担いで1人だけが同行します。この他に根付き榊1本を天秤棒で担いだ二人も同行します。

八幡宮木宮神社で、酒徳利・鯵・榊・ズイキを担いだ前述の二人の供物担ぎと宮司が拝殿の外廊下を一周した後、根付き榊を担いだ二人と共に、拝殿裏にある洞窟(昔、木宮神社があった海辺の場所に通じていると見立てている)に供物を捧げます。その後、拝殿に戻り神事が行われます。

八幡宮来宮神社での神事が終わると、神社下の鳥居前で待機し、賑やかに囃していたゴマガラ山車の囃子方が境内に上がって来て囃します。この囃子に合わせて婦人の踊りが始まり、万度振りも行われ、ゴマガラ山車の引き摺り落としで全ての行事が終わります。

 

万度と据え屋台                                万度振り

 

木遣り船山車                              ゴマガラ山車

 

    元屋敷へ                            元屋敷で神事

 

元屋敷から神輿安置所へ                        八幡宮来宮神社へ

 

供物(酒徳利・鯵・榊・ズイキ)                   供物( 根付き榊)

 

  万度振り                                婦人の踊り

 

ゴマガラ山車を曳き落とす

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