神原の虫送り念仏

【祭礼日】8月10日
【場 所】神原薬師堂(浜松市天竜区水窪町奥領家2837)・永福寺(浜松市天竜区水窪町奥領家3139)

【日 程】17:45~19:45

神原(カンバラ)の虫送り念仏は、虫に姿を変えたまま鎮まらない霊魂などを供養し五穀豊穣や家内安全を願う盆行事で、江戸時代から続くとされています。虫送り念仏の行事は、町から急坂を登った山の中腹にある神原薬師堂から始まります。

最初に、薬師堂の外陣に紺の浴衣姿の長老10人が外に向かって座り、浴衣姿に2ヶの赤い花を付けた編み笠を被る若者たちが、神楽堂の入口に据えた太鼓3台と双盤1台を打ち、その後ろで笛方8人が笛を囃し「デンデンデン」という踊りを奉納します。

次に、浴衣に黒の長羽織姿のトウロウサシ(灯篭指)が、弓灯籠を持って薬師堂前で「五方拝」を行います。弓灯籠は2本の弓を十文字に結び、縦弓の先端に灯籠と南無阿弥陀仏と描かれた短冊を吊り下げたものです。

トウロウサシは、右足を前に一歩踏み出しながら弓灯籠を頭上から下に下げます。これを五方に向かって行います。この時、外陣の長老たちが般若心経と薬師の真言「オン コロコロ センダリマトウギソワカ」を唱えます。

次に、虫送り念仏が唱えられ、太鼓・双盤・笛が囃されます。これが長く続き、太鼓打ちの3人は笛方8人のうちの3人と幾度も交代します。

最後に、薬師堂と隣の八幡宮との間の広場で、双盤打ち1人と太鼓打ち3人が、輪になって「練り込み」を踊ります。弓灯籠1基と虫送り燈籠2基が立ち並ぶ前で、紐で肩掛けした双盤と太鼓を左手で持ち、撞木(シュモク)と撥(バチ)で打ちながら踊ります。

虫送り燈籠は、傘鉾の柄の中ほどから灯籠と虫送りと描かれた短冊を吊り下げたものです。

薬師堂での諸行事が終わると、弓灯籠・虫送り燈籠・双盤・太鼓・笛の順で行列を組んで、急坂を下り町に向かいます。永福寺までの途中3ヶ所で五方拝・デンデンデン・念仏が奉納されます。

また道行では「道中練り」が披露されます。双盤・太鼓打ちの4人が縦一列になって、後ろ向きから左回り、右回りと回転しながら進み練るのが特徴です。

町のメイン通りの各家の前には、虫送り念仏の行列を迎えるための「迎え火」が焚かれています。町を挙げての行事だということが実感できます。

永福寺では、最初に五方拝と練り込みの踊りが同時に行われ、デンデンデンの踊りの後、太鼓・双盤・笛の囃子とともに寺念仏と寺褒めの和賛が唱えられます。

 

デンデンデン(神原薬師堂)

 

   五方拝(神原薬師堂)                         練り込み(神原薬師堂)

 

          道 行                               五方拝(八幡の森地蔵)

 

 念仏(八幡の森地蔵)                              道中練り       

 

           道中練り                            五方拝と練り込み(永福寺)

 

  寺念仏(永福寺)                             寺褒め(永福寺) 

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