加茂の大念仏(大円寺)

【祭礼日】8月9・10・13・14日
【場 所】大円寺(磐田市加茂123)

【日 程】9日20:00(平野重定公墓前)、20:30(大円寺本堂前)、10日18:30~19:00(アオイ地区)、13日初盆の家、14日18:30~19:00(地区公民館)

「遠州大念仏」は、元亀3年(1572年)に武田信玄と徳川家康が戦った「三方原(ミカタハラ)の戦い」で亡くなった人を供養するため、家康が三河の僧に命じて大念仏をさせたのが始まりといわれ、江戸時代には盆行事として遠州各地で大念仏が盛んに行われていたようですが、磐田市豊田地区で現在継承されているのは加茂東だけになりました。

加茂の大念仏は、8月9・10・13・14日の4日間、場所を代えて行われますが、今回は大円寺施餓鬼会(セガキエ)の日である9日の大念仏を見学しました。最初に、平野重定公の墓がある大円寺墓地の広場で、次に大円寺本堂前で大念仏が奉納されます。

平野重定公は、三方原の戦いに際し天竜川東岸の要路である加茂に砦を築き武田軍勢の撃退に大いに貢献し、また天正16年(1588年)家康の命を受け、天竜川の水を引くため2年がかりで、寺谷から浜部(現在の磐田市中部から南部)までの3里余(13Km)に農業用水路の建設を指揮した武将です。

時間になると、提灯持ち(住職)・切子灯籠1対・子供踊り方7人・大人踊り方4人・太鼓6面・笛方2人・双盤(ソウバン)2基・歌方2人の順で行列を組んで、平野重定公墓前に入ります。

皆さん浴衣姿で、大人の踊り方・双盤打ちは、赤の襷を掛け鉢巻きを締め三度笠を被り、水色の手甲脚絆を着けています。子供の踊り方は三度笠や手甲脚絆は着けていません。住職と切子灯籠を持つ人は浴衣の上に僧衣を羽織っています。

双盤は大きな鉦二つを向かい合わせにしたもので、運ぶ時は太い担ぎ棒に吊るし二人で担ぎます。これが2基あり、打つ撥は布で覆われて直径が10cmほどもある特殊な撥で、鐘撞きの要領で打つと双盤は鈍い音を出します。太鼓は大型の締め太鼓で地面に直に立てて置き、これを踊り方が打ちます。

歌方の歌と笛・鉦に合わせて踊り方が短い撥を2本ずつ持って太鼓を打ちながら15分ほど踊ります。平野重定公墓前で踊った後、大円寺本堂前でも同様に踊りますが、最後に、ザルを持ったひょっとこ面が現れ安来節を踊ります。大人の踊り方4人が、左手に持った太鼓を細長い撥で打ちながら一列になってひょっとこ面の後ろに続き境内から去っていきます。余興のようです。

 

切子灯籠(平野重定公墓前)                       双盤(平野重定公墓前)

 

大念仏(平野重定公墓前)

 

   切子灯籠(大円寺)                           子供踊り方(大円寺)

 

 大太鼓(大円寺)                               笛方(大円寺)

 

  双盤(大円寺)                                歌方(大円寺)

 

大念仏(大円寺)

 

安来節(大円寺)

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