上多賀の鹿島踊り(多賀神社)

【祭礼日】7月28~29日
【場 所】多賀神社(熱海市上多賀741)

【日 程】28日[宵宮祭]16:00(神事・鹿島踊り=神社)、16:30(神事・鹿島踊り=御旅所)、17:00(鹿島踊り=神社)
29日[本祭]10:00(神事・鹿島踊り=神社)、11:15(鹿島踊り・オコワを食す=御旅所)、14:50~15:30(鹿島踊り・鳳輦と神輿の浜振り=御旅所)、16:30~17:00(神事・鹿島踊り=神社)

「鹿島踊り」は、茨城県鹿島神宮の神人による疫神送り(悪霊祓い)がその起源といわれ、千葉県、及び神奈川県西部から静岡県伊豆半島東部の沿岸部に伝播しています。上多賀では多賀神社の例大祭の中で行われます。今回は28~29日の宵宮祭と本祭を見学しました。

宵宮祭では神事の後、境内で鹿島踊りを奉納し行列を組んで戸又港近くの御旅所に向かいますが、境内に曳き出されていた鳳輦(ホウレン)1基と神輿2基はそのまま置かれ行列には参加しません。御旅所で神事・鹿島踊り奉納の後、御旅所にあったオンベ(大きな御幣)2基を伴って行列を組んで神社に戻り、境内で再び鹿島踊りを奉納します。

本祭では本祭神事・鹿島踊り奉納の後、潮打ち2人・錫杖2人・鉾2本・オンベ(御幣)2本・踊り方約30人・歌方9人・神輿1基・神職・氏子関係者が御神幸行列を組んで御旅所に向かいます。

御旅所での鹿島踊り奉納が終わると、氏子世話役と思われる4人が、御櫃にいっぱい詰められたオコワを踊り方などの祭礼参加者に振る舞います。この時、舟形の容器に盛り付けるのが珍しいです。

その後一旦解散し、午後3時前に御旅所で再び鹿島踊りを奉納後、神輿と鳳輦の浜振り(海中渡御)が始まります。神輿は白張(ハクチョウ)姿の厄年奉仕者16人が担ぎ、鳳輦は青魁会(セイレイカイ)の法被を着た人など約30人が担いで海の中に2~3回入ります。鳳輦には担ぎ棒2本が据えられていて担ぎ手の中に女性も何人かいました。

浜振りが終わると行列を組んで神社に還御し、還幸祭神事の後、境内で最後の鹿島踊りを奉納します。

【鹿島踊り】上多賀では、横一列に並んだ9人の歌方に向かって5×6列の踊り子が方形に並び、その真中に締め太鼓を据えて、その周りに黄金柄杓を持つ2人とお鏡(太陽と月)を持つ2人を配置して、歌方の歌と締め太鼓の音に合わせて踊ります。総勢約30人です。踊りは、方形がメインで時々円形で踊ったり、踊り子だけが向きを変えたりします。

歌方は長さ2mほどの丸棒を左手に、踊り子は小幣を左手に持ち、いずれも右手に白扇を持ちます。黄金柄杓・お鏡持ちも右手に白扇を持っています。錫杖を持つ警護役の2人以外は全員、白張浄衣(ハクチョウジョウイ)の白装束姿で素足に草鞋を履いています。歌方は大人ですが、踊り子は締め太鼓打ちも含め小学・中学・高校生です。

<鹿島踊り歌>

千早振る 神々のいさみなれば 弥勒おどりめでたし

1.この祭りはめでたい祭り 神もよろこぶおめでたや
  世の中はまんご祭り みろく御代が七つづき

2.天笠は近いな子女郎 たたらふむとはきこえたがたが
  たたらふむ何とふみそろう たたらたたらとやつふむ

3.十七が沢に下りそろう 黄金柄杓で水を汲む
  水汲むまば袖がぬれそろう たすきよかけそろーなー十七
  
     (以下略)

 

28日 祝詞奏上(多賀神社)                   鹿島踊り(多賀神社)    

 

    神事(御旅所)                          鹿島踊り(御旅所)

 

       鹿島踊り(多賀神社)                  29日 本祭神事(多賀神社)

 

  御神幸行列                               太鼓・オンベ

 

鹿島踊り(御旅所)                        オコワを舟に盛る

 

  神輿・鳳輦の浜振り                           還幸祭(多賀神社)

 

鹿島踊り(多賀神社)

 
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