廿日会祭(静岡浅間神社)

【祭礼日】4月1~5日
【場 所】静岡浅間神社(静岡市葵区宮ヶ崎町102-1)

【日 程】1日9:00(廿日会祭初日祭=神社)、13:30(本社神輿渡御)、2日14:00(春季神衣祭=神社)、3日11:00(稚児行列=呉服町~神社)、12:00(稚児無事成長祈願祭=神社)、3日16:00(昇祭=神社~麓山神社)、18:00(浅間神輿渡御)、4日16:00(降祭=麓山神社~神社)、5日10:30(古式稚児参拝=別雷神社or小梳神社)、11:00(古式稚児行列出発=別雷神社or小梳神社)、12:00(踟曳き揃え・余興披露=神社石鳥居横)、14:00(例大祭=神社)、15:40(稚児舞楽=神社舞殿)

静岡浅間(センゲン)神社は、神部(カンベ)神社・浅間神社・大歳御祖(オオトシミオヤ)神社の三社からなる総称です。神部神社と浅間神社は同一の社殿になっています。

静岡浅間神社の「廿日会祭(ハツカエサイ)」は、遥か今川時代以前から駿河の大祭として行われ450年以上の歴史と伝統があり、かつて旧暦2月20日に行われていたため廿日会祭とよばれていますが、現在は4月1日から5日まで行われています。

3日の「昇祭(ノボリサイ)」と4日の「降祭(クダリサイ)」は、浅間神社の御祭神である木之花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)が、賤機山(シズハタヤマ)の中腹にある麓山(ハヤマ)神社の御祭神である父神の大山祇命(オオヤマツミノミコト)の許に一晩里帰りされる祭典で、木之花咲耶姫命を御鳳輦(ホウレン)に遷し百段の石段を昇り降りします。

今回は5日の「古式稚児行列」「踟(ネリ)行列」「稚児舞楽奉納」を見学しました。

【古式稚児行列】古式稚児行列は浅間神社で行われる稚児舞楽を奉納する稚児が神社に参進する行列です。古式稚児の参拝と行列の出発地は、七間町の別雷(ワケイカヅチ)神社と紺屋町の小梳(オグシ)神社との隔年交代で、今年は別雷神社が参拝・出発地になります。

幟を先頭にして猿田彦・神官・本社神輿・稚児輿4台・さくや姫・海彦山彦・踟5台など約2000人の行列が、浅間神社に向かって2Kmを1時間かけて巡行します。

稚児輿1台の担ぎ手は、黄の狩衣(カリギヌ)と白の裁着袴(タッツケバカマ)姿に菰のような脛当てを着け烏帽子を被った8人で、4台の輿に稚児が1人ずつ乗ります。稚児輿のすぐ後ろには、古式衣装を着け桜の枝を手に持ち白の鉢巻きにも桜の枝を挿している童女のさくや姫と弓矢などを持つ童児の海彦山彦が続きます。

【踟行列】稚児輿とさくや姫・海彦山彦の後ろには、踟と呼ばれる山車が続きます。咲耶車(サクヤクルマ)(一番町地区踟)・神武車(駿府本部踟)・稲荷車(駿府本部踟)・木花(コノハナ)車(中商連踟)・暫(シバラク)車(本部伝馬踟)の5台です。今年の当番町は一番町で踟行列の先頭を進みます。

踟の曳き手の先頭7~8人は横に広がり紅白の紐を渡し持ち、曳き手の後ろに地踊りと木遣り唄の一行が続きます。かつては牛が踟を曳いていた名残りで踟の曳き手は「牛方」と呼ばれています。

踟行列は江戸時代の元和年間(1615~1624年)から始まりましたが、明治維新の動乱により一時途絶え、明治27年(1894年)に復活したそうです。

廿日会祭の踟はいずれも明治以降に制作された三層構造の鉾台型山車で江戸型山車のひとつです。最下層の前面には締め太鼓2台と大太鼓1台を並べて迫り出し、この後ろには太鼓打ち・笛吹きなどの囃子方が乗っています。

古式稚児行列が浅間神社の石鳥居横に着くと、稚児輿は稚児を乗せたまま紅白の幔幕を背にして横一列に安置され、稚児供覧として踟の曳き揃え・木遣り・地踊りなどが披露されます。その後、浅間神社で例大祭が行われます。

【稚児舞楽】例大祭終了後、稚児舞楽は拝殿から渡り廊下で繋がっている舞殿で行われます。舞人の稚児は小学生の4人で、襲(カサネ)装束に身を包み山吹や桜を挿した天冠を被り額に故粉(ゴフン)で描いた月形の印を付けています。

演目は「振鉾(エンブ)」「納曽利(ナソリ)」「安摩(アマ)・二の舞」「還城楽(ゲンジョウラク)」「太平楽(タイヘイラク)」の五段です。

振鉾は2人の稚児がそれぞれ鉾を持って舞い、天下泰平を祈り舞台の四方を清めます。

納曽利は通常は雌雄の龍が遊び戯れるさまを2人で舞いますが、廿日会祭では1人で舞う「落蹲(ラクソン)」として舞います。

安摩・二の舞は、2人の稚児がそれぞれ笏(シャク)を持って安摩の舞を舞い、次に、大きく笑った老爺の笑面(エミメン)と大きく腫れて歪み舌を出した老婆の腫面(ハレメン)が登場し稚児の舞を真似て面白おかしく二の舞を舞います。

還城楽は、中国西域の胡人(コジン)が舞台中央に置かれた好物のヘビを見つけ、この周りを歓喜しながら舞い最後にそれを捕らえるという1人舞です。

太平楽は、稚児2人がそれぞれ鉾を持って舞い、次に、太刀を持って勇壮に舞います。

 

 

本社神輿                                稚児輿 

 

 さくや姫                              海彦・山彦

 

木花車(中商連踟)                 暫車(本部伝馬踟)     

 

 稚児輿(浅間神社石鳥居横)                 木遣り(浅間神社石鳥居横)

 

地踊り(浅間神社石鳥居横)                    稚児舞楽(振鉾)  

 

    稚児舞楽(納曽利)                     稚児舞楽(安摩・二の舞)

 

  稚児舞楽(還城楽)                       稚児舞楽(太平楽)

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