田遊祭(息神社)

【祭礼日】3月初午に近い日曜日
【場 所】息神社(浜松市西区雄踏町宇布見(ウブミ)8690)

【日 程】10:00~10:25(神事)、10:25~10:40(田遊祭)

息(オキ)神社の田遊祭(タウタサイ)は、五穀豊穣を祈願する神事として旧くから雄踏町(ユウトウチョウ)の宮座によって行われ、宝暦7年(1757)から明治4年(1871)までは続けられていた記録があり、その後一時中断し明治40年(1907年)に復活し、その際に神楽歌とともに行われていた踊りは途絶えたままになっているそうです。

田遊祭は息神社の拝殿で行われ、拝殿奥側中央に木枠で囲まれた2m四方の一画が「田所」と呼ばれ田に見立てられます。田所の四隅には榊の枝が挿し込まれた竹筒が立っています。祭壇の上には天狗・狐・おみな(老女)・翁・おかめ・鬼・般若の七つの面が掲げられています。

田所の手前には竹を編んで作った小さな籠が一列に6ヶ並んで置いてあり、その中には「六名(ロクミョウ)」の名前が書かれた札が入っています。六名とは中村・吉田・藤田・内田・山下・山内の姓を持つ雄踏の宮座六家を指しているそうです。

時間になると祭壇に向かって田所の左側に神職・田主役など右側に代官役などが、田所の四隅には巫女姿の稚児4人が、名札の入った竹籠の前には六名の代表者6人が、以上の方々を囲むようにして宮座の参列者が拝殿一杯に詰めています。

田主役は羽織袴姿、代官役は裃姿に太刀を帯び、六名の代表者と宮座の皆さんは黒の礼服姿です。

神事の後、神職が打つ太鼓の合図で、歌い手1名が神楽歌を歌い田遊祭が始まります。

神楽歌は、1.田打ち 2.苗代田の選定 3.肥料集め 4.種蒔き 5.祝いの餅撒き 6.鳥追い 7.苗取り 8.代かき 9.田植え 10.鳥追いの順で歌われ、歌い手・田主・六名・全員と歌う箇所はそれぞれ予め決められているようです。

神楽歌の途中で、種蒔きの所作が行われます。祭壇と田所の間で代官が田主に桝に入った籾種を渡し、これを田主が六名の代表者が持つそれぞれの竹籠に分けて配ります。次に、代官の「種を蒔こうよ」の発声で六名の代表者が一人ずつ田所に籾種を蒔き、最後に6人が揃って籾種を蒔きます。

種蒔きの所作が終わると神楽歌の唱和に戻り、最後の鳥追いの歌の後、歌い手が「これより南は 南海どろの海を堺に おひにおひに おひこいつれば -----」と歌い終わると、稚児4人が鈴を振りながら田所を三周する中、一同が「万歳楽、万歳楽」と二十一回唱え終わります。

<歌い手が冒頭に歌う神楽歌の歌詞>

田を作れ作れ 田を作らんば 

門田を作れ 門田よしやよし 

早稲もよし 中稲はまさる 晩稲は穂長なり 

今年の稲は 七把で八升つく 八把で九升 

一ヶ所の木の枝に つばくらが巣をくいて 

あなたにおよるなり とひ草の葉をば 

手にてつみいれ 宮へまゐらせよ

 

  田 所                                      七つの面
 

 

参列者をお祓いする                             神楽歌を唱和する

 

   代官から田主に籾種を渡す                   田主が六名代表に籾種を分ける

 

  六名代表が籾種を蒔く                          稚児が田所を三周する

祭りの栞(トップ)

 

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