【祭礼日】2月15日に近い土・日曜日
【場 所】能安寺(神奈川県足柄上郡山北町向原2499)
【日 程】土曜日13:00~14:00(念仏奉唱=数珠回し)、14:00~15:30(神楽)
日曜日10:00~12:00(念仏奉唱)、13:00~14:00(念仏奉唱)、14:00~15:30(神楽)、15:30~16:00(カガリ=融通念仏)
南北朝時代(1336~1392年)に山北町の世附(ヨヅク)地区に伝わったといわれる百万遍念仏は、1974年三保ダムの建設に伴い集落が丹沢湖の湖底に沈んだため、現在では山北町向原に移転された能安寺で行われています。
【数珠回し】世附の百万遍念仏は、大数珠を巨大な滑車に取り付け、数珠を回転させる珍しい行法です。水桃木(スイトウボク)という蔓で作られた1ヶが5cmほどの楕円球形302ヶをびっしりと詰めた大数珠(長さ9m)を、高さ2.5mほどの梯子の上部枠に取り付けた滑車に廻し掛けします。
司祭者(神寄せ山伏)の神寄せの後、念仏衆が太鼓に合わせて念仏を唱える中、若者たち数人が先祖の霊を慰め地域の安全と悪疫退散を願いながら大数珠を勢いよく回します。今日(一日目)の数珠回しは400回でした。
道場の天井には、スゲ草で作った縄に赤・白・青・黄・黒の5色の幣を取り付けたしめ飾りがびっしりと張られています。
二日目の最後、道場の中央に置かれた太鼓を念仏衆が囲み融通念仏を10回唱えた後、司祭者が太鼓の打ち終わりを告げると、天井に張られたしめ飾りを奪い合うそうです。これを家に持ち帰り戸口に掛けておくと、疫病除けになると云われています。
【神 楽】数珠回しの後、神楽が舞われますが、数珠回しとの関連はなく全く別の行事です。獅子舞は、幣の舞・剣の舞・狂いの舞・姫の舞の4曲で、この他に遊び神楽として二上がりの舞・おかめの舞・鳥さしの舞があります。囃子は笛3人・小太鼓1人・大太鼓と桶胴太鼓1人・鉦1人です。
二上がりの舞は、天の岩戸開きの時の舞で、世の中を和やかにする舞といわれます。鳥さしの舞は、曽我兄弟が鳥さしに身を変え、親の敵を討つまでの苦心を物語る舞といわれます。
百万遍念仏が終わった翌週の日曜日、地域の浄め祓いの舞(悪魔祓い)終了後(16:00~16:30頃)、獅子舞の幣束を永歳川から流します。
大数珠と滑車 司祭者
太鼓方 数珠回し
数珠回し
幣の舞 剣の舞
狂いの舞 囃子方
二上がりの舞 おかめの舞
姫の舞 鳥さしの舞