【祭礼日】9月最終日曜日
【場 所】湯原神社(佐久市湯原327)
【日 程】12:30(神事)、13:30~14:50(式三番)
湯原神社の式三番は、天下泰平・五穀豊穣・子孫繁栄を祈願して行われる神事芸能で250年余の歴史があります。
舞台は境内に常設されている専用舞台で、間口9間、奥行5間あります。湯原神社で神事の後、面箱を持った紋付羽織袴姿の面捌(メンサバキ)を先頭に氏子役員・宮司・演者が舞台に向かいます。式三番の演者は、任期3年を務め沐浴潔斎して式三番に臨みます。
【演 者】翁(白式尉(ハクシキジョウ))は狩衣(カリギヌ)姿に立烏帽子を被り翁面を着けています。
千歳(センザイ)は直垂(ヒタタレ)に大口の袴姿に土岐折烏帽子を被っています。三番叟(黒式尉(コクシキジョウ))は直垂に大口の袴姿に剣先烏帽子を被り黒尉(コクジョウ)の面を着けます。千歳と三番叟が着けている直垂の背には鶴の絵が大きく描かれています。
笛1人・鼓3人・大皷(オオカワ)1人は、白衣の上に市松模様の上衣と長袴を着けています。地謡(ジウタイ)1人は紋付着物に袴姿で、影笛1人は普段着です。面捌1人を加え演者は合計11人です。
最初に面捌役が扇の上に置いた塩を舞台に撒きます。清めの神事です。これにより舞台は聖地となり神が降りてくる場となります。
次に、笛・鼓を捧げ持った囃し方4人が長袴の裾を前に蹴り上げながら進み、舞台中央奥の二重台の上に横一列になって座ります。地謡は幕の陰に控えています。
次に、面箱を捧げ持った千歳と素面の翁が登場し、翁が舞台中央に座ると「問ふ問ふたらりたらりら、たらり上がりらり...」の四句神歌で、翁が持っている扇に神が降ります。
【千歳の舞】舞台上手に手前から翁・千歳・面捌が座り、露払いとして千歳が「鳴るは瀧の水 鳴るは瀧の水 日は照るとも」と「千歳の舞」を舞っている間に、面捌が翁に面を被せます。千歳は舞を続けます。
【翁 舞】次に、翁が「在原やなぞの翁ども」と「翁舞」を舞います。 「千歳の舞」・「翁舞」ともに地謡との謡のやりとりがあり、笛・鼓も奏されます。
最後に翁は「千秋萬歳の祝ひの舞なれば ひとさし舞まはふ」と「萬歳楽」を謡い、扇いでいた扇を両手で頭上に捧げます。これで神が昇ったことになります。翁は座に戻り面を外し「翁帰り」という摺り足で退場します。
【三番叟】長袴姿の大皷が長袴の裾を蹴り上げて登場し、舞台中央で大皷を撥で打ち舞台下手に座ります。次に、素面の三番叟が笛・鼓・大皷の囃しに合わせて、露払いとしての「揉(モミ)の段」を激しく舞い、三番叟の「エイー」の声で神が三番叟に憑りつき三番叟は黒尉の面を着けます。
次に、三番叟と千歳が舞台中央で向きあい、三番叟が「あら目出度や物の心得たるあどの太夫殿に一寸見参申さう」と言い、千歳が「丁度 奉りて候」と答えるなどの問答をします。「封面狂言問答」です。
次に、三番叟が千歳から手渡しされた鈴を右手に、扇を左手に持って舞います。「鈴の段」です。舞の最後に、囃子の「エイー」の掛声で憑りついた神は三番叟から離れます。
これですべての舞が終わり、演者一同が横一列に舞台に並び一礼します。その後、演者一同が舞台で地謡を胴上げした後、演者と氏子役員が揃って記念撮影します。
神事(湯原神社) 面箱を持って舞台へ向かう
清めの神事 長袴を捌いて進む囃子方
囃子方 千載の舞
翁の面を着ける 翁の舞
大 皷 三番叟(揉の段)
三番叟(封面狂言) 三番叟(鈴の段)
演者一同 舞台全景