神楽(仁科神明宮)

【祭礼日】9月第三月曜日
【場 所】仁科神明宮(大町市社1159)

【日 程】13:00~15:30

仁科神明宮は、平安時代中期に伊勢神宮内宮(ナイクウ)の御厨(ミクリヤ)として設置された「仁科御厨」鎮護のため勧請されたといわれます。

「仁科神明宮の神楽」は、当地豪族の仁科氏が領主であった鎌倉時代から南北朝時代までの間に始められたとされ、明治に入って神明宮宮本の氏子長男15人が一子相伝で神楽を奉仕してきましたが、昭和45年(1970年)に「仁科神明宮神楽保存会」が設立され、現在はこの保存会によって伝承されています。

神楽は、神明宮の例大祭式典の後、神楽殿で奉納されます。神楽は、採物(トリモノ)の舞三座と「記紀(古事記・日本書紀)神話」を劇化して謡曲にのって演ずる四座の合わせて七座で構成されています。

前者は「剣の舞」「五行の舞」「幣(ヌサ)の舞」で、後者は「岩戸神楽」「水継(ミズツギ)」「竜神神楽」「道祖神(ドウソジン)」で、笛・太鼓・小太鼓の囃子も奏されます。

「剣の舞」1人舞。白面を着けて両手に長刀を持ち勇壮に舞います。舞台を祓う舞です。

「岩戸神楽」5人舞。尉(ジョウ)・弊の神・天鈿女命(アメノウズメノミコト)・手力男命(タジカラオノミコト)・天照大神(アマテラスオオミカミ)が登場し、天照大神の岩戸(イワト)隠れの物語を演じます。

「水 継」2人舞。尉(ジョウ)と姫が登場して、右手に柄杓を左手に笏(シャク)を持つ姫が「天の真名井(アメノマナイ)」の故事を語り、高天原(タカマガハラ)から真名井の水を申しおろし笹を手に湯立の舞を舞います。

天の真名井は、瓊々杵命(ニニギノミコト)が降臨の時、この地に水がなく天村雲命(アメノムラクモノミコト)が再び高天原に上がり、水種を移したと伝えられる御神水です。

「五行の舞」5人舞。天地万物の源を開いた木(青)・火(赤)・土(黄)・金(白)・水(黒)の五つの神々が、それぞれの色の面と装束を着けて、右手に鈴を左手に幣を持って舞います。

「幣の舞」1人舞。白面を着けて右手に長刀を左手に白幣を持って舞います。

「竜神神楽」7人舞。「海幸山幸」の神話をもとに演劇的な要素を色濃くして、前段・中入狂言・後段・竜神の舞の4場面で構成し、彦火々出見尊(ヒコホホデミノミコト)・龍神・豊玉(トヨタマ)姫・玉衣(タマヨリ)姫・エビ・タコ・タイが登場します。

「道祖神」2人舞。宗祗(ソウギ)が弓矢を、大宝(タイホウ)が木杵(キギネ)を持ち、問答をして勇壮な舞を演じ、天下泰平・五穀豊穣・悪魔退散を祈ります。

 

        剣の舞                         岩戸神楽(天鈿女命・尉)

 

      岩戸神楽(手力男命)                岩戸神楽(幣の神・天照大神・尉)

 

水 継

 

五行の舞(水・金・土の神)                   五行の舞(火・木の神)

 

          弊の舞                        龍神神楽(イカ・タイ・エビ)

 

龍神神楽(豊玉姫・玉衣姫)                     龍神神楽(竜神)  

 

道祖神(左:大宝、右:宗祗)

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