さんよりこより

【祭礼日】8月7日
【場 所】伊那市美篶(ミスズ)下川手(川手天伯社)・富県桜井(桜井天伯社)

【日 程】12:00(川手天伯社で神事)、12:30(神輿くぐり・さんよりこより)、13:00(川手天伯社出発)、14:30(桜井天伯社で神事)、14:45(さんよりこより)

「さんよりこより」は、美篶(ミスズ)川手地区の天伯様と富県(トミガタ)桜井の天伯様に伝わる祭りで、天竜川水系最大の支流である三峰川(ミブガワ)の洪水を鎮める目的で毎年8月7日の七夕祭りの日に行われています。

『室町時代の中期、応永34年(1427年)、藤沢片倉(現高遠)に居られた天伯様が洪水によって富県桜井に流れ着き、その後再び洪水によって美篶川手に流れ着きました。これを縁として、桜井と川手に天伯様をお祀りしたのがはじまりとされています』(伊那市ホームページより)

川手天伯社で神事が行われる頃になると、色とりどりの飾りを付けた竹を持った子供が続々と集まってきます。子供たちは並んで順番に神輿の下をくぐります。無病息災を祈るといわれます。

50人ほどの子供たちは大きな輪になり、菅笠を被り締め太鼓を持った法被姿の鬼男と呼ばれる二人を中にして大きな輪を作り、飾り竹を振り「さんよりこより、さんよりこより(さぁーよってこいよぉーの意)」と唱えながら鬼男の周りを回ります。

一周した頃、鬼男が太鼓を叩くと子供たちは飾り竹で鬼男を滅多打ちします。これを3回繰り返し三周します。洪水を起こす疫病神(鬼)を叩き潰し、洪水を鎮める神事といわれます。

神事が終わると25人ほどの大人たちが、赤い「奉献 大天伯社」の幟を先頭に太鼓・神輿・幟の順に行列を組んで、三峰川を挟んで対岸にある桜井天伯社に向かいます。堤防に出ると20数段ある石段の上で、履物に滑り止め用のわら縄を巻き付けます。私も用意してきたサンダルに履き替えます。皆さん神輿を担ぎながら慎重に石段を降り川原に出ます。

大きな石がゴロゴロしている川原を進み、川幅20mほどの所で川を渡ります。流れは膝辺りまでですが、川底はコケなどでツルツル滑りやすくなっている大きな丸い石ばかりです。慎重に渡っていた心算ですが、川の中ほどでお尻から転んで下半身ズブ濡れになり、右手に持っていたカメラが川水に浸かってしまいました。

三峰川を渡り荒れた川原を100mほど歩き、ようやくまともな道路に出て2Kmほど先の桜井天伯社に着きました。やはりカメラは作動しなくなっており、予備のカメラを持っていなかったので「さんよりこより」は見学するだけにしました。

神事の後、行われた桜井天伯社での「さんよりこより」は20人ほどの子供が輪になって飾り竹を振りますが、川手のようにグルグル回ることはありませんでした。

幸いこの日は天気が良かったのでズブ濡れのズボンは、朝夕1便ずつしかない最寄りのバス停で2時間ほどバスを待っている間に乾き、バスや電車には座って帰ることができました。

帰宅後、メモリーカードを別カメラで再生可能か確かめたところ無事だったのが救いでしたが、カメラボディとレンズは修理不能でした。やはり神輿と一緒に三峰川を渡るときは、履物にわら縄を巻き付けないと危ないです。

 

  神事(川手天伯社)                        飾り竹を持って集まる

 

神輿の下をくぐる                               鬼男の二人

 

鬼男の周りを三周する                           鬼男を叩く    

 

   桜井天伯社へ渡御                         滑り止めの藁縄を巻く

 

  急な石段を降りる                            荒れた川原を歩く

祭りの栞(トップ)

 

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