例祭(大宮諏訪神社)

【祭礼日】8月最終土・日曜日
【場 所】大宮諏訪神社(北安曇郡小谷村中土13722)

【日 程】12:30(狂拍子・獅子舞・奴踊り=元庄屋宅)、13:00(獅子舞・奴踊り=御旅所)、13:30(神輿還御出発)、14:00~15:00(狂拍子・奴踊り・獅子舞=神社)、15:00~(神事・浦安の舞=神社)

8月の最終土・日曜日に大宮諏訪神社の例祭が行われ、この中で長野県無形民俗文化財に指定されている「狂拍子(クルンビョウシ)」と「奴踊り」が奉納されます。

土曜日は宵祭りで灯籠行列・歌謡ショーなどがあり、日曜日が本祭りです。早朝、神輿が御旅所(元名主宅)に渡御した後、午後から元庄屋宅と御旅所の元名主宅の庭で、狂拍子・獅子舞・奴踊りを披露します。

その後、神輿が御旅所から神社に向けて行列を組んで還御します。行列は、大麻(オオヌサ)・猿田彦・奴・太鼓・笛・弓矢・四神旗・薙鎌(ナギカマ)・神職・神輿・狂拍子・獅子などの順です。神輿は白の狩衣(カリギヌ)姿の10人が担ぎます。

この行列には、羽織袴姿で薙鎌を捧持する2人が参加します。諏訪大社御柱祭の前年(未年と丑年)に、小谷(オタリ)村戸土と中股にある神社の神木に諏訪大社宮司が薙鎌を打ち込む「式年薙鎌打ち神事」が行われますが、この年の大宮諏訪神社の例祭で「薙鎌神事報告の儀」が行われ、翌日、大宮諏訪神社宮司も祭祀者の一人として「式年薙鎌打ち神事」に参加します。

この神事は、信濃国の国境を確認し国土を祓い平安を祈るものとされています。次の式年薙鎌打ち神事は、未年にあたる平成27年(2015年)に戸土の「境の宮」で行われます。「鎌打ち神事」は石川県でも行わています。

神社に着くと行列は境内を三周し神輿が拝殿に納められた後、狂拍子・奴踊り・獅子舞が奉納されます。

【狂拍子】狂拍子は五穀豊穣を祈念する踊りで、踊り子の2人は小学生の男児です。緋縮緬の広袖の半着・白の股引姿に白の手甲・白の襷を着け、頭に束髪(ソクハツ)を被り白の鉢巻を締め、白足袋に草鞋を履いています。

手には両端に飾りの付いた棒を持っています。桶胴太鼓を打つ前の子は短い棒を2本、後の子は長い棒を1本持ちます。前の子が太鼓を打つと後の子は棒を頭上で8の字に回します。

囃子方は紺の半纏を着け笛を吹く男女児10人とシンバルを打つ男児1人です。桶胴太鼓は、踊り子と反対側からも男児が打ちます。

【奴踊り】12人の踊り手は、紺の半着・白の短パン姿に赤の褌を垂らし、諏訪大社の神紋「梶の葉」が染められた前掛けを着け腰には木刀を差し、赤の頭巾を被り顎に髭を付け、脛に荒縄を巻き白足袋に草鞋を履いています。先頭の奴は、先端に鳥の尾羽を付けた長さ4~5mの長柄(ナガエ)を持っています。

裃姿に陣笠を被る警護役1人を真ん中にして、奴は輪になって「ヨイトマカサーノヨイ」と掛け声をかけながら時計回りに進み踊ります。

踊り手が周回し奴頭が社殿前の位置に来ると、奴頭が「申す」と声をかけ、扇を広げ扇に書かれている「奴唄」を読み上げます。この時、奴は左手で腰の刀の鞘を右手で柄に手を掛けます。奴頭が唄の一節を読み上げるごとに他の奴がこれを繰り返します。

踊りの一周ごとに歌が読み上げられ合計三首となりますが、一首目は神徳を称える歌、二首目は豊年を祈念する歌、三首目は時局世相を風刺した歌、とされています。唄は毎年奴衆が作り、この時初めて村人に披露されます。奴唄は江戸時代から続いているそうです。

【獅子舞】二人立ちの獅子舞で、最初、青の油単(ユタン)(胴幕)を広げて笛の囃子に合わせて華麗に舞い、獅子が天から降りてきて地を固め四方を祓う様を表します。次に、油単を絞り右手に幣束を持って四方を祓い、次に、剣を持って四方を祓う様を表します。

この後、拝殿で神事と浦安の舞が行われますが、帰りのバスの時間が迫ってきたので見学せずにバス停に向かいました。

<平成二十三年 奴唄>

1.卯の年は 二年続きの大雪と 歴史に残る猛暑日に

  案じられたる作物も 氏神様の御利益で

  豊かな秋に息をつく 風おだやかな大祭り

2.ふるさとを 守り立てようと小谷っ子 気持ちはあれど職場なし

  安心安全安定の 若者留まる村づくり

  止まらぬ過疎に良策を しっかり頼むぞ新村長

3.揺れ動く 国策よりも大震災 未曾有無情の大津波

  原発被害で放射能 日本列島大騒ぎ

  諏訪のお宮に願かけて 静めたまえと奴共

 

狂拍子の踊り子と囃子方                       狂拍子(元庄屋宅)

 

 獅子舞(元庄屋宅)                       奴踊り(元庄屋宅)

 

 獅子舞(元名主宅)                       奴踊り(元名主宅)

 

渡御行列

 

  薙鎌(神社)                           狂拍子(神社)

 

       奴踊り(神社)                      奴唄を読み上げる(神社)

 

獅子舞(神社)

 

祭りの栞(トップ)

 

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