太々神楽(上今井諏訪神社)

【祭礼日】4月20日に近い日曜日
【場 所】上今井諏訪神社(中野市大字上今井2685)

【日 程】11:30(神楽奉仕者が町内を巡行=上今井公民館~神社)、11:45(例祭神事)、12:30~13:50(太々神楽)

上今井(カミイマイ)諏訪神社の「太々神楽」は、諏訪神社の例祭の中で五穀豊穣を願って奉納される神楽で、島根県発祥といわれる出雲系神楽の「大和舞」と明治初頭に岡山県で発祥した近代神楽の「吉備楽(キビガク)」の2種類の舞からなっています。

大和舞は囃子だけで舞う採物舞で、江戸時代後期にはすでにこの地で行われていたといわれ11曲が伝承されています。吉備楽は、囃子と詩に合わせて舞う歌舞で5曲が伝承されています。例祭では16曲の中の一部と「浦安の舞」が奉納されます。

例祭神事に先立って、太々神楽奉仕者一同が神社近くにある上今井公民館から、氏子総代・舞姫12人・楽人10人・宮司・氏子総代の順で列を組んで神社周辺を巡行します。神社に戻り例祭神事が30分ほど行わた後、太々神楽12曲が奉納されます。囃子は楽太鼓1人と笛3人です。

1.三米(サンマイ) (大和舞)男一人舞。青竹色の狩衣(カリギヌ)・空色の袴姿に烏帽子を被り、右手に金銀扇を左手に三方(サンボウ)を持って米を撒く所作をしながら舞い、次に、採り物を替え、右手に鈴を左手に金銀扇を持って舞います。

2.みそぎの舞 (大和舞)女児四人舞。赤の小振袖の上に緑の狩衣を重ね着し紫の袴姿に天冠を被り、右手に鈴を左手に榊を持って、輪になり右回り、左回りしながら舞います。

3.榊の舞 (大和舞)男一人舞。三米と同じ衣装で、右手に金銀扇を左手に榊を持って舞います。扇を水平にしその上に榊を立てて舞ったり、左足を上げながら扇を右側頭に掲げたりします。

4.くらいの山・のどけき (吉備楽)女児三人舞。みそぎの舞と同じ衣装に金色の烏帽子を被り、右手にピンク深ぼかしの扇を持って、左手を扇の骨に添えたり扇を閉じたりしながら、輪になって回ったり横一列に並んだりして舞います。二つの舞を続けて舞っているようです。

5.御幣楽(ミテグラ) (大和舞)男一人舞。三米と同じ衣装で、右手に扇を左手に笏(シャク)を持って右回りに舞いながら、中腰になり半開きした扇を水平にしその上に笏を立てたりします。

6.浦安の舞 女児五人舞。赤の小振袖の上に白の千早(チハヤ)を重ね着し、菊の花を添えた天冠を被り、最初は檜扇(ヒオウギ)を持って舞い、次に鈴を持って舞います。昭和15年(1940年)「皇紀二千六百年奉祝祭」に合わせて作られた舞で、多くの神社で舞われています。通常は四人で舞います。

7.田植えの舞 (吉備楽)女児四人舞。くらいの山・のどけきと同じ衣装に橙色の襷を掛け、右手に赤の絵扇を持ち、右回りに回りながら絵扇を水平にして前方に差し出したり、扇を左脇の下に置き前方に伸ばした左手で指差ししたり、扇を下に向け斜め上に伸ばした左手で指差ししたりします。これらの動作に移るたびに垂直にした扇を左手で2~3回打つ所作をします。

8.扁舞(ヘンベ) (大和舞)男二人舞。白の小袖・空色の袴姿に、茜色の袖なし半纏を着け、鶏兜(トリカブト)を被り鬼神面を着け、右手に持つ太刀を肩に置き右回りに回り、太刀を水平に持ち左手を刃先の下に添えたり、刃先を斜め下に向け柄の先端に左手を置いたりします。これを左回りでも同じように繰り返します。かつては四人舞でしたが、現在は二人舞になっているようです。

9.鈴神楽 (大和舞)女児三人舞。赤の小振袖・紫の袴姿に天冠を被り、右手に鈴を左手に赤の絵扇を持ち、横一列に並び左右前の三方に向きを変えながら、扇と鈴を交互に斜め上に翳したり、扇を水平にしてその上で鈴を振ったりします。

10.夏の夜 (吉備楽)男一人舞。三米と同じ衣装で、右手に青ぼかしに銀小桜の扇を持って舞います。閉じた扇を持つ右手を腰に置き、伸ばした左手で左右を指差します。これを片足立ちと片膝立ちで行います。この間では、開いた扇を両手で捧げ持ったり胸前に置いたりしながら左回りに回り、本殿に向かっては両手を拡げ踵を上げます。

11.翁(オキナ)の舞 (大和舞)男一人舞。錫色の狩衣・空色の袴姿に烏帽子を被り翁の面を着け、右手に金銀扇を持ち左手に持つ幣束を肩に置いて右回りに回りながら、途中、扇を高く掲げたり、身を反り返したりします。これを左回りでも行い、最後に扇を鈴に持ち替えて舞います。

12.鯛釣りの舞(大和舞)女児二人舞。くらいの山・のどけきと同じ衣装に橙色の襷を掛け、おかめ面と恵比寿面をそれぞれ側頭に着け、右手に紙垂(シデ)の付いた竹竿を左手に赤の絵扇を持って舞い、鯛とヒラメを釣る所作をします。常に次の動作に移る際は、一旦、竹竿を置き扇を持って回ります。

殆どの舞いは2~3分の短い舞ですが、11番翁の舞は8分、12番鯛釣りの舞は5分ほど舞います。

太々神楽が終わると、拝殿の回廊から舞姫全員による菓子撒きが行われます。

 

神楽奉仕者が町内を巡行する                                          例祭神事              

 

三米(大和舞)

 

みそぎの舞(大和舞)

 

榊の舞(大和舞)

 

くらいの山・のどけき(吉備舞)

 

御幣楽(大和舞)

 

浦安の舞

 

田植えの舞(吉備楽)

 

田植えの舞(吉備楽)

 

扁舞(大和舞)

 

鈴神楽(大和舞)

 

夏の夜(吉備楽)

 

翁の舞(大和舞)

 

鯛釣りの舞(大和舞)

 

菓子撒き

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