作始め神事(刈谷沢神明宮)

【祭礼日】3月9日に近い日曜日
【場 所】刈谷沢神明宮(東筑摩郡筑北村坂北239)

【日 程】12:00(獅子舞地区巡行)、14:00(式典)、14:45~15:10(獅子舞・作始め神事)

刈谷沢(カリヤサワ)神明宮は、旧松本藩会田組12ヶ村(現在の筑北村坂北・本城、麻績(オミ)村野間・桑関)の総社で、氏子は約1,000戸といわれています。

刈谷沢神明宮の「作始め神事」は、五穀豊穰と子孫繁栄を祈願する田遊び行事で、400年以上の歴史があるそうです。

JR坂北駅から刈谷沢神明宮に向かって歩いていると、獅子舞の一行に出会いました。獅子舞にはリヤカーの神楽が付き添っています。竹笹で飾られたリヤカーには、御幣を屋根に立てた社と桶胴太鼓・締め太鼓が載せてあります。

獅子は二人立ちの獅子で笛と神楽の太鼓の囃子に合わせて舞います。時々獅子の胴幕の後部にもう1人が入り2本の竹で獅子の尾部を持ち上げたりします。獅子舞を奉仕するのは「健児社」の方々です。

獅子と神楽は、M製材所前と一の鳥居前・二の鳥居前で舞った後、水色の総社旗7本を先頭にして刈谷沢神明宮に宮入りします。

拝殿で式典の後、境内で獅子舞が奉納されその後、作始め神事が行われます。

最初に、茶の直垂(ヒタタレ)姿の外神主が祭文を読み上げ、白の狩衣(カリギヌ)姿で踏鋤(フミスキ)・鍬・産霊(ムスビ)の神木(男根)などを持つ付人が「あーら目出たいなー」と2回囃します。皆さん立烏帽子(タテエボシ)を被り黒の長靴を履いています。

次に、白の狩衣姿に侍烏帽子(サムライエボシ)を被り張子の牛を持つ太郎と紅白の紐で結ばれた馬鍬(マグワ)を持つ次郎が、代掻きの所作をしながら境内を周回し、農具や男根を持つ人もこれに続きます。以上を3回繰り返します。

これを見守る村人は、周回する牛めがけて雪玉を勢いよく投げるので、牛を持つ太郎は「毎年、毎年嫌(ヤ)でござる」と叫び笑いを誘います。牛に向かって投げられる雪が多いほど豊作になるといわれています。

張子の牛は、刈谷沢神明官の古い御札を貼り墨で黒く塗ったもので赤の腹掛けを着けています。男根は檜で作られた2本で紅と白の布が巻かれています。

最後に、水色の直垂姿に立烏帽子を被った御供持ちが皆さんに餅を配ります。

 

獅子舞(M製材所前)                       巡行中の神楽  

 

 獅子舞(二の鳥居前)                      獅子舞(神社境内) 

 

      祭文を読み上げる                  「あーら目出度いなー」の掛声

 

牛と馬鍬が周回する                       牛に雪玉を投げる

 

男根を持つ付人                             餅を配る

 

祭りの栞(トップ)

 

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