【祭礼日】3月17日
【場 所】穂高神社(安曇野市穂高6079)
【日 程】15:00~16:10
奉射祭(オビシャ)は、悪魔・悪霊の退散を祈念して行われているもので、矢の当たり具合でその年の天候を占う「年占」の性格も含まれています。室町時代にはすでに行われていたようです。
神事の後、拝殿から神楽殿の軒に吊るされた大的を射ます。距離は12.5m、大的は直径5尺2寸(約1.6m)の円形で木板を薄板割にして網代に組んであります。
裏に「甲乙ム」と三字の組み文字が墨書きされた紙が貼ってあります。これは鬼を表しますが、「甲乙なし」と読み、意味は世の中みな平等とのことです。(三重県津市のごんぼ祭りで行う奉射神事の的にも「甲乙ム」の文字がありました)
弓は5尺2寸の桑の木で作ったもので、矢は長さ3尺2寸で鷹の羽根が付いています。
最初に神の矢を東北に、次に殿の矢を東南に射て四方の悪魔を追い払います。神の矢は祭典後、本殿に納め、殿の矢は松本城主に納めていました。
次に12本の鏑矢(カブラヤ)を射ます。12本は12ヶ月を表し、昔はその的中により晴雨の順・月の豊凶を占っていました。現在は、鏑矢を射るたびに御利益があるとして、大的に当たる直前か直後に観衆が矢を奪い合い、的中の具合はわかりません。
奉射が終わると的を降ろし薄板割を手足で割って奪い合い、魔除け・豊穣祈願のため持ち帰り、家の神棚・車・財布の中に置いておきます。財布の中に入れておくとお金が増えるといいます。
奉射の大的 大的の裏
神 事 巫女舞
神の矢 鏑 矢
鏑矢を奪い合う
大的の薄板割を奪い合う