【祭礼日】1月第二月曜日
【場 所】穂高神社(安曇野市穂高6079)
【日 程】12:00(三九郎に点火)
正月飾りや達磨などを一ヵ所に集めて焼くどんど焼きを中信地方では「三九郎(サンクロウ)」と呼んでいます。
三九郎と呼ばれる名の由来は、神霊を乗り移させる福間三九郎と呼ばれる童子の名をとったとも、松本城の2代目城主石川康長の幼名が三九郎で、陰謀により失脚した康長のたたりを恐れ道祖神の火祭りにその霊の退散を託したなど諸説があります。
当日11時過ぎに神社に着くと、境内の南神苑に円錐状に組み上げられた三九郎が見えてきました。高さは6mほどで無数の達磨が飾り付けられ、下部には門松・注連飾りなどの正月飾りが積まれています。また、三九郎には「五穀豊穣」「無病息災」「家内安全」「学業成就」と書かれた紙が張られています。
新型コロナウイルス禍のため、3年連続でお雑煮・お汁粉・樽酒の振る舞いは中止されています。参集殿前では甘酒の接待(有料)がされています。
時間になると、先端に紙垂(シデ)と注連縄を付けた竹の棒を持つ火付け役の小学生4人と禰宜2人が登場し、禰宜が紙垂に点火し、宮司が子供たちをお祓いします。点火された竹の棒を持つ子供が三九郎に火を移します。三九郎はもともと子供たちの行事であった名残りのようです。
たちまち三九郎から煙と火が立ち上り、達磨がボンボンと音を立てて地面に転がり落ちます。10分ほどで三九郎は崩れ落ち、30分ほどすると待機していた消防団員が鳶口(トビグチ)で三九郎の燃え殻をかき回します。
小一時間ほどで火が収まると、繭玉(マユダマ)を付けた柳の枝を持って10数組の大人・子供が残り火の周りに集まり、それぞれ柳の枝を残り火に向けて伸ばして繭玉を焼きます。繭玉は米粉で作られた団子で、三九郎の火で焼いて食べるとこの一年健康で過ごせるとされています。
穂高神社本殿 甘酒を販売
正月飾りを持ち込む 正月飾り・達磨で飾られた三九郎
点火役の子供をお祓いする 三九郎に点火する
燃え上がる三九郎
消防隊員が残り火を整える 柳の枝に付けた繭玉を焼く
柳の枝に付けた繭玉を焼く 焼いた繭玉を食す