東谷のドンドヤキ(カンタサン)

【祭礼日】1月15日直前の土・日曜日
【場 所】越第三公民館(長野市篠ノ井塩崎108-1)・東谷道祖神

【日 程】土曜日15:00~17:00(カンタサン作り=越第三公民館)、日曜日8:30~10:00(カンタサン飾り付け=道祖神)、15:00(カンタサンに点火)

東谷のドンドヤキは明治時代から始められたといわれます。「カンタサン」と呼ばれる紙人形の本体(婿・嫁の2体)はドンドヤキ前日の土曜日に越(コシ)第三公民館で作られます。

公民館に20人ほどの大人・子供が集まり、出来上がり見本紙を見ながら大きな色紙を鋏で切り人形の裃の衣装やスカリ(網のような入れ物)を作ったり、青首大根にマジックで婿と嫁の顔を描いたり、祈願文の書かれた紙を大福帳に綴る作業などをします。小さい子供たちはこの作業をいつかは自分がやりたいという真剣な目で見ています。

長さ3mほどの青竹の最上部に腕となる50cmほどの青竹を十文字に縛り付け、胴体となる部分に膨らみを付けるため新聞紙を束ねて括り付けます。これが人形の骨格となり2組作ります。

人形本体の高さは70~80cmで、婿の衣装は青色の裃、嫁の衣装は橙色の裃です。これをそれぞれ青竹に着せ付け、大根で作った頭を青竹の天辺に差し込みます。婿の右手には筆を持たせ、嫁の右手には白扇を左手にはスカリを持たせ、人形の衣装の下には色紙に切り込みを入れ伸ばした飾り(スカリと似ています)を付けます。

夕方には婿・嫁2体のカンタサンが出来上がりました。これを部屋の中に置いておき明日の飾り付けの作業に備えます。

翌日早朝から、公民館から200mほど北の土手の上にある道祖神碑の隣にカンタサンを飾り付けます。(以前は道祖神碑を真中に入れて作り、道祖神碑ごとカンタサンを燃やしていたようです)

最初に、3本の長い木(ナラ・クヌギ)を斜めに立て上部で縛り固定させ、その脇に人形を括りつける木を2本立て、先ほど斜めに組み合わせた木や補強の横木などと結びます。

次に、公民館から運び出された婿人形の左手に祈願文を綴った大福帳数冊を付け、婿人形を土手の上の木に飾り付け、嫁人形はそのまま木に飾り付けます。この頃には各家からダルマや正月飾り・松の枝が持ち込まれておりこれをカンタサンの下に積み上げます。

次に、正月飾りなどの上(カンタサンの下)に宝船を置きます。宝船には、模型の鯛の上に千万両百万両の小判・酒樽・金の鈴・松葉・梅の枝などの模型が満載されています。オカメ面や藁で作った米俵を積んだ船もあります。いずれも精巧に出来ています。10時頃にはカンタサン飾り付けの作業を終え、一旦解散します。

15時、カンタンサンの西南西(今年の恵方)の部分に火を点けます。世話人の方が集まった地域の皆さんにお盆に載せた5円硬貨を配ります。ミカンやお菓子も配ります。カンタサンが勢いよく燃え始めると、先ほど戴いた5円硬貨を燃える火の中に投げ入れます。子供たちはカンタサンが燃え尽きるのを待ち切れずに、火が燃えている最中から竹竿や木の棒の先に付けた餅を焼き始めます。

カンタサンが燃え尽きると、子供たちは先ほど投げ込まれた5円硬貨を拾うべく竹や木の枝で燃えガラを掻き廻しています。これを楽しみにしていたようです。

 

      色紙でスカリを作る                  婿と嫁の裃を作る

 

  婿の頭                                    嫁の頭

   

     婿の衣装                     嫁の衣装                  カンタサンの完成

 

     3本の木を組み立てる                   横木で補強する

   

      大福帳                   大福帳を付ける             カンタサンを立てる

   

カンタサン                 カンタサン                     宝 船

 

  5円硬貨を配る                          カンタサンを燃やす

 

5円硬貨を投げ入れる                             餅を焼く     

祭りの栞(トップ)

 

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