【祭礼日】11月23日
【場 所】下部神社(奈良市都祁吐山町3955)
【日 程】13:30(神事=下部神社)、13:50(吐山公民館~下部神社へ行列)、14:00(太鼓踊り=下部神社)、15:00(御供投げ)
「吐山(ハヤマ)の太鼓踊り」は、江戸時代初期から雨乞い祈願と豊年祈願成就の御礼踊りとして奉納されてきたもので、現在では11月23日の下部(オリベ)神社の例祭の中で奉納され、吐山小学校の児童約20人も保存会員に混じって参加しています。
打ち込み・干田(ヒンダ)踊り・松虫踊り・宝踊り・鎌倉踊り・長崎踊り・糸屋踊り・おさめ踊りなど、約20の演目が伝承されているそうです。
今年は七つの垣内から各1台、合計7台の太鼓が吐山公民館に集結し、二手に分かれて一組は、「ヤクハライ」の天狗を先頭にして「春日大明神」の大幟5本・大太鼓4台・踊り子・シデ振り、もう一組は大幟2本・太鼓3台・踊り子・シデ振りがそれぞれ下部神社に向かいます。この頃からポツポツと雨が降りだしてきました。
7台の太鼓がそろい大幟を掲げて行列するのは24年ぶりだそうです。また、春日大明神の幟を掲げるのは、別の場所に鎮座していた下部神社が現在地の春日神社に合祀され、下部神社が神社名を引き継いだことによるものだそうです。
神社前で二組の行列が合流すると「打ち込み」の太鼓が打たれた後、宮入りし本殿前に7台の太鼓と踊り子・シデ振りが横一列に並びます。
太鼓は移動しやすいように4輪の太鼓台に乗っています。雨に弱い太鼓皮を守るため太鼓には透明のポリフィルムが掛けてあります。1台の太鼓には3人の踊り子と2人のシデ振りが付いて、踊り子は3人が交替して太鼓を打ちます。
シデ振りは太鼓の後ろに並び、上部が黄色に下部が赤色に染められたシデを持つ14人の他に、下部が青色に染められたシデを中央で振る2人が「シボウウチ」と呼ばれる音頭取りで、この2人の合図で踊りが始まります。
保存会員とともに踊る吐山小学校の児童は7台のうち3台の太鼓を受け持っています。郷土学習の一環として保存会員の指導を受けて踊りを学んでいるので、「背面打ち」や「跳び打ち」などのばち捌きも保存会員に負けないほど上手です。紫の狩衣(カリギヌ)姿の天狗は、ササラを摺りながら踊り子たちの前を周回します。
干田踊り・松虫踊りの2曲が踊られ、予定ではこの他にも何曲か踊られることになっていたようですが、雨脚が強くなってきたので2曲だけで終わってしまいました。雨乞い踊りゆえ雨が降れば吉兆とすべきか。でも、11月23日の踊りは豊年祈願成就の御礼踊りではなかったかと空を恨めしく眺めるばかりです。
下部神社に向かう行列
天狗がササラを持って周回する 太鼓踊り
太鼓踊り