【祭礼日】10月31~11月1日(2017年から11月2~3日に変更)
【場 所】櫛玉比女命神社(北葛城郡広陵町弁財天399)
【日 程】31日14:00(だんじり各町内を巡行)、19:30~22:00(だんじり宮入り・宵宮祭)、1日10:00(例大祭)、13:00(鏡開き・伊勢音頭)、14:00(だんじり宮出し・地区巡行)
箸尾(ハシオ)の「戸閉て(トタテ)祭り」は、豊作を喜び神に感謝するため、家の戸を閉めて家族総出で神社に集まり祭りに参加したところからその名が付いたといわれ、江戸時代末期から続いているそうです。
【だんじり】戸閉て祭りの主役であるだんじりは、弁財天・南・的場・萱野の4大字から出ます。いずれも重厚な造りの二階構造で高欄が外側に出ています。大小二つに分かれた独特の破風屋根を持つ曳き山です。(弁財天のだんじりは神社屋根風)
屋根の前部と後部には、檜の鉋屑(カンナクズ)で作った御幣のようなものが飾られています。獅子の髪を表すそうです。また屋根の前部からは青年団などの団旗2~4本が突き出ています。
二階部分の高欄前部には「上乗りさん」と呼ばれる羽織袴姿の役員数人が乗り、一階部分には大太鼓と鐘を打つ二人が乗ります。鐘はお寺の梵鐘を小型にしたもので、山車に鐘という取り合わせが面白いです。
【宮入り】夕闇が濃くなる頃、町内を巡行していただんじりが神社に集まり若者たちが伊勢音頭を歌い気勢を上げます。時間になると弁財天・南・的場・萱野の順で30分おきに宮入りが行われます。宮入りというよりも宮参りといった方が合っているかも知れませんです。
早打ちの太鼓と鐘の音に合わせ、綱に曳かれただんじりが神社拝殿に向けて30mほど突進します。拝殿屋根すれすれでだんじりが止まると、伊勢音頭が歌われる中、数人の手で抱え上げられた1人が頭をぶつけて拝殿軒下の鈴を鳴らします。
次に、10人ほどの若者が拝殿入口に揃って立ち伊勢音頭を歌った後、拝殿に折り重なるようにして倒れ込みます。参拝のようです。倒れ込んだ若者を右手に鈴を、左手に太刀を持った二人の巫女がお祓いします。この後、若者たちは境内で胴上げをし伊勢音頭を歌い続けます。
4大字の宮入りが終わると境内のだんじりが整列し、拝殿で宵宮祭が行われます。両手に2本の太刀を持った二人の巫女が舞った後、玉串が奉奠されます。この後、各大字の役員・若者は団旗を先頭に行列を組んで各大字に向かいます。だんじりは神社に置かれたままです。
【宮出し】12時半頃、各大字の役員・若者が団旗を先頭にして行列を組んで宮入りし、4大字合同で記念撮影した後、4大字の役員さんによる鏡開きが行われます。
次に、各大字ごとに大きな輪を作り1人ずつ輪の中央に出て伊勢音頭を歌い、直径40~50cmの大杯に注がれたお酒を飲んだり、1升瓶のお酒をラッパ飲みします。これを小1時間ほど続けてからだんじりの宮出しが始まります。宮出しの順番は、萱野・的場・南・弁財天と宮入りの逆になります。
宮出しの開始から1時間ほどかけて神社前の道路に4台のだんじりが揃うと、だんじりはそれぞれの大字に向けて巡行します。どのだんじりに随行しようか迷いましたが、北の方に向かっている萱野のだんじりを追いかけました。
町内に入ると若者たちは辻々でだんじりを止め、輪になって伊勢音頭を歌いお酒を飲みます。曳行する時間より止まっている時間の方が長いようです。夕方になると学校から帰ってきた子供たち10数人が曳き手に加わり、だんじりは一層賑やかになります。近鉄電車の箸尾駅が見えてきたので、巡行の見学をやめて駅に向かいました。
31日 宮入り(弁財天) 太鼓と鐘(弁財天)
頭で鈴を鳴らす(弁財天) 拝殿に倒れ込む(南)
宮入り(的場) 宮入り(萱野)
巫女のお祓い(萱野) 巫女舞(拝殿)
1日 鏡開き 伊勢音頭を歌う(的場)
大杯の酒を戴く(的場) 宮出し(的場)
宮出し(南) 地区巡行(萱野)