【祭礼日】10月第四日曜日
【場 所】四社神社(宇陀郡御杖村菅野2310)
【日 程】10:00(宮代御幣奉還の儀)、10:30(例大祭・お当渡し)、13:00~15:30(獅子舞)、15:30(御供まき)
かつて大和地方から伊勢神宮へ参詣する人は、街道に面している四社(シシャ)神社で行きには旅の安全を祈願し、帰りにはお礼参りをして手拭を奉納したそうです。
獅子舞に先だって午前中に当屋の交代儀式である「お当渡し」が行われます。拝殿で7地区の新旧当屋が向かい合って座り、献餞・祝詞奏上の後、現在の当屋が杯に注がれた御神酒を「オー」と言いながら飲み、続いて同じ杯で新しい当屋が「オー」と言い御神酒を飲み干します。この後、新旧当屋は御幣を手に持ち、社を胸に抱いて列をなしてそれぞれの地区に向かいます。
午後から神社境内で獅子舞が奉納されますが、かつては獅子舞は9月9日の「獅子祭り」に行われ、神社の前を流れる菅野川に仮橋を架け、獅子がこの橋を神様の田へと渡り、獅子の上下の歯をがちがちと合わせて占いをし、鳴りが良ければ早稲を、悪ければ晩稲を植え育てるとし、占いが終わると「長鼻」(天狗)の面を付けた人々が、悪魔祓いのため神職と共に村内を巡ったそうです。
こうした行事のうち獅子舞だけが昭和25年頃から10月の秋祭りに併せて行われるようになり、全国各地の獅子舞を研究し華やかなものに変化してきたようです。
四社神社の獅子舞の演目は、神前の舞・荒神払い・神前の舞(剣)・荒神払いくずし・中村・参神楽・新矩・蝶神楽・廻り返し・参神楽くずし・参蝶神楽・御伊勢参りの12曲あり、囃子は大太鼓1人・笛1人・鉦3人です。
獅子舞は二人立ち獅子舞ですが、当日、舞い場のテーブルの上に並べられていた獅子頭は7頭もあり、演目により獅子頭の胴幕や舞い方の衣装を変えているようで実に多彩です。
獅子頭の胴幕は、伊勢神楽系模様の赤・青・緑があります。舞い方の衣装も多彩で、上着はよく見えないので分かりませんが、袴は黒・紫・緑の無地系と紫・黒の柄入りのほか緑の裁着袴(タッツケバカマ)もあります。
今回は帰りの最終バスの都合で最後の2曲(参蝶神楽・御伊勢参り)を見学することが出来ませんでした。特に、大人の肩に乗った子供の獅子方が採り物を次々と替える継ぎ獅子の御伊勢参りは見たかった。
お当渡し 御幣と社を持つ当屋たち
神前の舞 荒神払い
神前の舞(剣) 荒神払いくずし
中 村 参神楽
新 矩 蝶神楽
廻り返し 参神楽くずし