上品寺のシャカシャカ祭り(八坂神社)

【祭礼日】6月5日
【場 所】八坂神社(橿原市上品寺町144)

【日 程】13:00~16:00(蛇作り・粽作り=当屋宅)、16:00~16:30(練り歩き)

「上品寺(ジョウボンジ)のシャカシャカ祭り」は、治水や豊作を願う「野神祭り」のひとつで、祭りの起源については諸説あり定かではありませんが数百年経ているといわれています。

かつては旧暦5月5日に行われ、一年限りの当屋が祭りを取り仕切り、当屋は長男が生まれた家が務め、同じ年に大字(オオアザ)内で長男が2人生まれた場合は生まれ月によって後先を定め、後から生れた家は翌年の当屋をすることになっていました。

このため当屋は、生後間もない長男の家であったり小学校に入学してからの家であったりします。祭りは、いわば将来むらの構成員となる長男の誕生を祝うものでもあります。

現在は新暦6月5日に行なわれ、対象となる長男のいない年は総代が当屋を代行することになっています。今年は当屋となる家があります。

祭りの当日午後から、大人7~8人が当屋の家に集まり「ジャ(蛇)」と「粽(チマキ)」を作ります。

ジャは、サンタ(桟俵)と呼ばれる米俵の蓋部分2枚を重ねてジャの頭部を作り、2枚のサンタの間に舌に見立てた赤の布を付けて口とします。次に、稲藁の束(かつては麦藁)を幾重にも重ねながら伸ばし10数か所を縄で縛り胴体とします。長さは5mほどになります。

ジャを作り終えると粽を作ります。粽は、上新粉(ジョウシンコ)(水洗いし乾燥したうるち米の粉)をぬるま湯で練った後、形を整え葉蘭(ハラン)で包み紐で縛ります。これを2個作ります。

粽が出来上がる頃、子供たちが小学校から帰り紺の法被姿に着替えて当屋に集まります。当屋の子は赤の法被を着けています。準備が整うと粽を載せた足打折敷(アシウチオシキ)を持つ大人を先頭にして、20数人の子供たちがジャを担いで上品寺町内を練り歩きます。

途中、2か所でジャを下ろしバケツの水を柄杓で汲んでジャに水を飲ませる所作をします。かつてはむらの南北にあった古池にジャをどんぶり漬けし自らも猿股一つで池に飛び込んだそうです。その池は二つとも埋められて現在はありません。

町内を練り歩いた子供たちは町の南にあるヨノミ(榎)の木の前に着きます。大人2人がヨノミの木に登りジャを木に巻き付けます。ジャの首辺りから粽2個が紐で吊り下げられます。ジャは木に沿って地上まで伸びています。木の根元に御神酒・白米・塩を供えます。

その昔、長池を埋める際、そこに棲んでいた大蛇を殺したので祟りを恐れた村人が、南池の畔に設けた塚の上に栴檀(センダン)とヨノミの木を植栽し、麦藁製のジャを巻き付けて蛇の霊を慰めたのだそうです。シャカシャカ祭りの名は、蛇が笹の中を動き回るときに発する音に由来するともいわれています。

祭りが終わると子供たちは、上品寺町集会所でワカメの味噌汁を御馳走になります。

 

サンタでジャの頭を作る                       ジャの舌を付ける  

 

 上新粉を練る                           粽を葉蘭で包む

 

 葉蘭で包んだ粽を紐で縛る                   粽とジャを囲む子供たち

 

ジャを担いで練り歩く

 

ジャに水を飲ませる

 

ジャをヨノミの木に巻き付ける      御神酒・白米・塩を供える 

祭りの栞(トップ)

 

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