下永東城のキョウ(野神祭)

【祭礼日】6月第一日曜日
【場 所】八幡神社(磯城郡川西町下永397)・野神塚

【日 程】9:30~10:00 (前日9:00~14:00=公民館で蛇作り・ミニ農具作り)

川西町下永では、野神さんに稲の豊作を祈り子供の成人(元服)を祝う「キョウ」と呼ばれる野神祭が、西城(ニシンジョウ)と東城(ヒガシンジョウ)の二つの地区で同じ日に行われます。二つの地区ではそれぞれ、西城ではオスの蛇、東城ではメスの蛇が作られます。

今回この二つの野神祭を見学しようと出かけたのですが、現地に到着した時には西城のキョウは終わっていて、東城のキョウだけを見学しました。

八幡神社から、ジャジャウマと呼ばれる蛇を乗せた駕籠・宮司・三方に載せた神饌持ち・盆に載せた模型の農具持ち・コモクサ持ちの順で行列を組んで野神塚に向かいます。

蛇は丸めた麦藁で頭を作り、眼として白磁の皿をはめ込み、胴体は麦藁束を紐で巻き締めた長さ数mのもので、青竹を組み合わせて作った駕籠に麦藁を敷き、その上にとぐろを巻いた状態の蛇が乗っているそうですが、駕籠はセンダンの葉ですっぽり覆われて中は見えません。東城の蛇はメスだから隠すのだといいます。

模型の農具は子供たちが作ったもので、鍬・三本鍬・エブリなどです。とても精巧に出来ています。

コモクサは5~6本単位にして、根元の茎の部分の2ヶ所を紐で括っています。そして括った茎の隙間に、「はったい粉」と呼ばれる麦を炒って磨り潰した粉が紙に包んで押し込まれています。粉を包むのは本来は紙ではなく、オノ葉という葉を使うのだそうです。

野神塚に着くと、神饌・模型の農具・コモクサを八足台(ハッソクダイ)の上に載せて、宮司が蛇を乗せた駕籠をお祓いし祝詞奏上の後、今年の元服対象の子1人が拝礼し玉串を奉奠します。続いて世話役代表も同様に行い神事が終わります。蛇の入った駕籠はそのまま野神塚に置いておくのだそうです。

最後に、世話役の方が参列者にコモクサの束を、子供が模型の農具を配ります。以前はコモクサの束は道路で投げてそれを皆が競って拾っていたようです。

コモクサの束は家に持ち帰り、三つ編み状に編み上げて綱のようにしてその先を解けないように縛り、蛇や虫が家の中に入ってこないようにと家の門前や玄関に1年間吊るしておきます。帰り道で、偶然その作業をしておられる家の方を見かけました。

 

蛇を乗せた駕籠                                野神塚へ 

    

    祝詞奏上                              宮司と一緒に拝礼

 

          模型の農具                        コモグサと模型の農具を戴く

 

コモグサを編む                               はったい粉

祭りの栞(トップ)

 

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