おんだ祭(菅原天満宮)

【祭礼日】2月25日
【場 所】菅原天満宮(奈良市菅原東1-15-1)

【日 程】13:00(祈年祭)、14:00~15:00(おんだ祭)

菅原天満宮は菅原家発祥の地・道真公生誕の地であり、菅原家一系の天穂日命(アメノホヒノミコト)・野見宿禰命(ノミノスクネノミコト)・菅原道真公の三神を祀っています。

天穂日命は天照大神(アマテラスオオミカミ)の子で、野見宿禰命は天穂日命の十四世の子孫にあたり菅原の地を本官とし、菅原道真公は野見宿禰命の十七世の子孫にあたるとされています。

菅原天満宮のおんだ祭は、長らく途絶えていたのを昭和50年(1975年)代に復興し、菅原道真公の命日(延喜3年(903年)年2月25日)である2月25日に行われています。

本殿で祈年祭が行われた後、4本の斎竹(イミダケ)と注連縄で区切られた境内の一角を田と見立てて、五穀豊穣・家内安全・子孫繁栄を祈願して行われます。行事は狂言形式で行われ、登場するのはシテ(仕手)役の田主と牛役の少年だけです。

田主は、白の上衣・空色の裁着袴(タッツケバカマ)姿に赤の仁王襷(ニオウダスキ)・脛巾(ハバキ)を着け、立烏帽子(タテエボシ)を被り翁面を着けています。

最初に、田主が祭壇に柏手を打って拝礼した後、「くわ始めせばと存じ候」と口上し、周囲の氏子が「めでとう候」と応じておんだ祭が始まります。

田主が鍬で「田打ち」をした後、「田を打って候えば牛を使い候」と口上すると、神職に伴われて黒の牛役が登場します。田主が持つ唐鋤を牛が曳いて田を周回し「田起こし」をし、次に、唐鋤を万鍬(マグワ)に置き換えて田を周回し「代掻き」をします。

次に、田主がエブリを持って「田均し」をします。次に、田主が2荷の肥桶を天秤棒で担ぎ柄杓で肥を田に撒く所作をします。この時、観客に近づいて肥を振り撒く所作をしたり、足を使って肥桶に残った肥を柄杓に移す所作をするので場が賑やかになります。

次に、田主が左手に竹ざるを抱えて「福の種蒔こうよ」と口上し籾種を盛大に撒きます。次に、田主が鍬を担いで「田廻り」や「草取り」をします。

最後に、紅白の幔幕の前でおんだ祭を見守っていた宮司・巫女・氏子役員に、祭壇に置かれていた松苗を神職が配ると、皆さん一斉に松苗を観客に向けて投げます。松苗は魔除けになるといわれています。

 

  鍬で田打ち                   唐鋤で田起こし

 

 馬鍬で代掻き                           エブリで田均し

 

     肥桶を担ぐ                          残った肥を柄杓に移す

 

  籾種を蒔く                             田の草を取る

 

宮司・巫女・役員に松苗を配る                     松苗を投げる       

祭りの栞(トップ)

 

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