御田植祭(六縣神社)

【祭礼日】2月11日
【場 所】六縣神社(磯城郡川西町保田30)

【日 程】17:00~17:30(祈念祭)、18:00~18:40(御田祭)

御田植祭は稲作物の豊作を祈って行う農耕の予祝行事ですが、ここ保田(ホタ)の六縣(ムツガタ)神社で行われる御田植祭は、五穀豊穣と安産を祈願する行事となっています。このため「子出来おんだ」とも言われています。

拝殿内での祈念祭と同時並行して拝殿前の境内で湯立て神事が行われます。神事が終わると、拝殿に20人ほどの子供たちが馬蹄形に座り、真中の空いた所を田とします。神社の法被を着た数人が子供たちの後に立ち、御田植行事が始まります。

行事は、1.水見回り、2.牛使い、3.施肥(セヒ)、4.土こなげ、5.田植え、6.田螺(タニシ)拾い、7.妊婦の弁当運びと安産、8.種蒔き、の順で行われます。

【水見回り】法被を着た二人が農夫役となり鍬で畦を直したりします。

【牛使い】牛使い役の二人が、牛役の二人の腰をつかんで後ろに立ち、牛役は両手の人差し指を頭に立て屈んでゆっくり歩き、時々左右に跳んだりします。

【施 肥】農夫役の二人が椿の枝の束を持ち、腰を屈めて肥料に見立てた椿の葉を千切って田に播きます。時々腰を伸ばしたりします。

【土こなげ】農夫役の二人が鍬で土を細かく砕く所作をします。

【田植え】農夫役の二人が椿の枝の束を持ち、腰を屈めて苗に見立てた椿の葉を千切って田に並べます。

【田螺拾い】農夫役の一人が籠に見立てた小太鼓を持ち、田螺に見立てた椿の葉を拾う所作をします。

ここまでの御田植行事の所作はすべて田と見立てた場所を二回りします。またこれらの所作が終わるたびに、「待っていました」とばかりに子供たちが、うずくまった演者に一斉に覆い被さり叩きます。これは雨を表しているそうです。

【妊婦の弁当運びと安産】白の装束に赤い腰巻を着て、手拭いを姉さんかぶりにし顔を白化粧した妊婦役が、神饌米を入れた半切り桶を頭に載せ右手で支え、腹に小太鼓を抱え左手で支えて登場し、神主が東・西・南・北の田に弁当を如何ほど持って行ったか、また台所まわりの様子を聞き、妊婦がこれに答えます。

やがて妊婦が「キリキリとお腹がいたくなりました」といって小太鼓を放り出すと、神主がこれを拾って叩きながら「できました。ボン出来た、ボン出来た」と囃します。

【種蒔き】烏帽子を被り袢纏を片肌脱ぎに着た農夫役が、神饌米を入れた半切り桶を左肩に載せ、種蒔き歌を歌いながら田を回り見物人と掛けあいをしその都度、神饌米を蒔き散らします。

♪ 近江の国を通ればー 雪森長者に行き合うたらー 行き合うたるところならこのところに蒔こよー (ここで種を蒔きます)

<囃し> ♪よんなかよけれども福の種蒔こうよ
 
♪ 河内の国を通ればー せしなげ長者に行き合うたらー 行き合うたるところならこのところに蒔こよー (ここで種を蒔きます)

<囃し> ♪よんなかよけれども福の種蒔こうよ  (以下略)

最後に、♪ 大和四十八万石、保田の明神蒔き納めー といって神饌米を蒔き散らします。

 

   祈念祭                                   湯立て神事

 

水見回り                                    牛使い

 

  施 肥                                    土こなげ

 

          田植え                          子供たちが演者に覆い被さる

 

     田螺拾い                                妊婦の弁当運び

 

安産の神事                            種蒔き       

 

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