鬼打ち(三十八神社)

【祭礼日】1月13日
【場 所】三十八神社(天理市藤井町218)

【日 程】13:00~14:40(鳥居・弓・矢・的・苗松作り)、14:45~15:30(神事・鬼打ち)

三十八神社の「鬼打ち」は、厄除けと五穀豊穣を祈願する藤井町に昔から伝わる伝統行事です。

当日の午後から町内の男衆が神社境内に勢揃いし、神事に使う鳥居・弓矢・鬼的・苗松などを手分けして一から手作りします。

【鳥 居】長さ10mほどの孟宗竹を真半分に割り、鋸で2ヶ所切り込みを作り「コ」の字形に曲げ、飾りの縄を巻き付けます。これを2基作り、本物の鳥居に相対して並ぶようにして、地中に打ち込んだ補強の木杭に縛り付けて建てます。

【弓 矢】弓は2mほどの桜の若木が折れないように慎重且つ力を込めて曲げ、形が整うと麻糸の弦を結びます。これを2張り作ります。矢は1.5mほどの細いスス竹の一方に鎌で切り込みを入れ、この中に白い紙で作った羽根を差し込みます。矢は50本ほど作ります。

【鬼 的】拝殿内で、割竹を網目状に編んで直径2mほどの的の原型を作り、これを外に持ち出し、縦軸の青竹と横軸の半割竹に縄で縛り付け補強します。さらに的の外周を一周する縄で縛り補強します。次に「鬼の鼻」となる20cmほどの青竹を的の真中辺りに付けます。

次に、的の天辺に御幣を、外周には紙垂(シデ)の付いた40~50cmの青竹12本を縄と竹の間に差し込みます。外周の12本は1年を表し、閏年は13本付けます。次に、白い半紙を糊で鬼的全面に貼り付け、最後に「鬼」と描いた紙を鼻の上部に貼り付けて鬼的の完成です。

【苗 松】半紙に包んだ白米を松の枝に藁で括り付けます。これを30個作ります。

【鬼打ち】拝殿で神事を行った後、鬼的と竹鳥居の間で神職が天と地に矢を放ちます。次に、長老が東・西・南・北・鬼的の順で矢を放ちます。

次に、鬼的から離れた二つ目の竹鳥居から、兄頭屋・弟頭屋と呼ばれる二人が的めがけて矢を3本ずつ放ちます。次に役員・氏子の方々が矢を放ちます。一般の人も参加できます。的までの距離は10m以上あり、的に当たれば災いを打ち祓い、豊作といわれます。

鬼打ちが終わると、神事で使用した矢を拾って鬼的を突き刺します。そしてこの矢に苗松を括り付け家に持ち帰り、苗代に立てて豊穣のお守りにするそうです。

 

        鳥居作り              弓作り

 

    矢作り                                 弓・矢・苗松

 

鬼的作り

 

     的と竹鳥居                             神職が天と地に放つ

 

長老が東西南北と鬼的に放つ                     兄頭屋・弟頭屋が放つ  

 

男衆が放つ                                   鬼 的

 

  鬼的に矢を突き刺す                         矢に苗松を括りつける


祭りの栞(トップ)

 

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