振物・神楽・三番叟(平八幡神社)

【祭礼日】11月3日
【場 所】平八幡神社(舞鶴市平140-1)

【日 程】午前中(地区巡行・出し物披露)、13:30~14:00(三差路で集合し宮入り)、14:20~14:50(赤野区三番叟)、15:00~15:40(平区振物)

平(タイラ)八幡神社は平区の氏神であるとともに、中田区、多祢寺(タネジ)区、赤野区の総氏神でもあります。11月3日の平八幡神社の祭礼では、平区の振物(フリモン)・中田区の神楽・赤野区の三番叟(サンバソウ)が奉納されますが、今年は中田区の神楽(獅子舞)は演者の人数が揃わないので中止になり2区だけの奉納となりました。

11時過ぎ、バスで現地に着いたとき丁度平区が行列を組んで神社に向かっているところでした。神社に着くと境内の平集会所内で振物の披露が30分間行われます。4人の検分役らしき人が見守る前で神社への奉納と同じ順番で七つの演目が舞われました。

振物の披露が終わると昼食休憩で一旦解散し、13時過ぎに集まり行列を組んで笛・大太鼓・小太鼓を囃しながら、3地区(今年は2地区)の集合場所の三叉路に向かいます。三差路で落ち合った赤野区とともに神社に平区・赤野区の順で神社に向かいます。

【行 列】平区は、御賽銭箱持ちの子供3人・子供神輿・神社幟・傘鉾・露祓いの幼女2人(小型のリヤカーに乗っています)・笹持ち・振物演者・ヤグラ・太鼓打ち数人・笛10人余(演者も笛を吹きます)の順で、赤野区は神社幟・傘鉾・ヤグラ・太鼓打ち3人・笛6人の順です。

平区の振物の演者は舞台衣装のまま行列に参加します。また平区の傘鉾には人参・大根・牛蒡の飾りがぶら下がっています。

【ヤグラ】当地では太鼓屋台をヤグラと称し、中央に大太鼓1ヶ、後部に小太鼓2ヶが据えてあります。平区の大太鼓は2人がそれぞれ2ヶの太い撥を持ち一緒に打ちます。

平区のヤグラは、屋根・太鼓周り・台車下部は杉の枝で飾られ、さらに屋根には前に楓の木1本、後ろには短冊など沢山の飾りが付けられた笹竹2本が伸びています。赤野区のヤグラは屋根後部に楓の木が1本飾られています。

神社に着くとヤグラは舞台横に並べて置かれます。出し物が始まると当該地区のヤグラが舞台の後に曳き出され笛・太鼓で囃します。

【赤野区の三番叟】最初に一番叟として、青の直垂(ヒタタレ)・赤の軽衫(カルサン)姿に侍(サムライ)烏帽子を被った男児が、面箱を持って舞台を回った後、扇子を持って舞台上の3人の謡いに合わせて「露払いの舞」を舞います。

二番叟は薄紫色の狩衣・柿色の袴姿に立(タテ)烏帽子を被った女児が扇子を持って舞います。翁の面は付けていません。囃子は舞台上の鼓2人(1人は手で打ち、他の1人は撥で打つ)・拍子木1人と舞台後ろの笛3人の合計6人です。

三番叟では、前踏みとして青の直垂・緑の軽衫姿に金色の立烏帽子を被った青年が扇子を持って「揉み(モミ)の段」を舞います。次に一番叟を舞った男児と青の直垂・青紫の軽衫姿に金色の立烏帽子を被り扇子を持った青年との間で問答があり、一番叟の男児が三番叟の青年に鈴を渡します。

三番叟の青年は後踏みとして、右手に鈴を左手に扇子を持って「鈴の段」を舞います。囃子は二番叟と同じです。

【平区の振物】演目は「露払」・「大薙刀」・「柿ぼり」・「小薙刀」・「間抜(マヌケ)」・「小太刀」・「大太刀」の七つです。囃子はヤグラの大太鼓と要所要所で打つ拍子木だけです。「露払」は赤の布を巻き両端に飾りを付けた棒を持った幼女が、青年に介添えされながら棒を打ち合います。

「大薙刀」は、黒の着物・濃茶色の裁着袴(タッツケバカマ)姿に白の襷を掛け、赤と黒のシャグマを被った大人が薙刀を打ち合います。「柿ぼり」は小学生の女児が木刀を打ち合い、「小薙刀」は中学生の男女が薙刀を打ち合います。いずれも鳥の図柄が染められた紺の着物・裁着袴姿にだらり結びの白の襷を掛け白の鉢巻を締めています。

「間抜(マヌケ)」は高校生が棒を打ち合い、「小太刀」と「大太刀」は大人が棒と太刀を持って打ち合います。「間抜」以降は、鳥の図柄が染められた紺の着流し姿にだらり結びの白の襷掛けに白の鉢巻を締め、化粧まわし風の「前ダレ」を着けています。

「大太刀」が終わると、「笹持ち」が舞台に上がり笹竹を左右に大きく振ると、天井に吊るされていた「くす玉」が割れてお菓子などの景品がどっと落ちてきます。これを子供たちが舞台に駆け上がって奪い合います。

 

平区子供神輿と賽銭箱                      平区ヤグラ    

 

   赤野区ヤグラ                           一番叟(露払いの舞)

 

       二番叟                                三番叟(揉みの段)

 

   三番叟(問答)                            三番叟(鈴の段)

 

 露払い                                    大薙刀

 

柿ぼり                                    小薙刀

 

間  抜                                    小太刀

 

         大太刀                            くす玉から菓子が落ちる

祭りの栞(トップ)

 

inserted by FC2 system