火焚祭(伏見稲荷大社)

【祭礼日】11月8日
【場 所】伏見稲荷大社(京都市伏見区深草藪之内町68)

【日 程】13:00(本殿祭)、14:00~15:00(火焚神事)、18:00(人長舞)

伏見稲荷大社は、全国に30,000社あるといわれる稲荷神社の総本宮で、秋の収穫が終わった後に行われる「火焚祭(ヒタキサイ)」は五穀豊穣や万物に宿る稲荷大神(イナリタイシン)に感謝する祭典です。

13時少し前に伏見稲荷大社に着いた時には、火焚神事が行われる境内の「神苑斎場」は二重・三重の人垣で囲まれていて、祭りの様子は垣間見るしかありませんでした。もっと早く来れば良かったと思ってもこれが本当の後の祭りでした。

神苑斎場には、井桁に組み外周を杉の枝で覆った縦横3m、高さ1.5mほどの火床が3基も据えてあります。それぞれの火床の上には願い事が書かれ全国の崇敬者から奉納された「火焚串」が山盛りに置かれ、その真ん中には稲藁が三角錐状に立てて置いてあります。

稲藁は伏見稲荷大社の神田に植えられ育った稲の藁で、10月下旬に行われた神事「抜穂祭(ヌキホサイ)」で刈り取ったものです。

本殿祭が1時間ほど行われた後、神苑斎場で大勢の神職・神楽女によって火焚神事が行われます。

神職が3基の火床にお祓いをした後、本殿祭で新藁を燃やして移された神火で3人の神職が同時に3基の火床の稲藁に点火します。白煙が立ち上ると3人の神職がそれぞれの火床に向かって、両手に束ねた数十本の火焚串を豪快に投げ込みます。火焚串を投げ込んだ直後は万歳をした姿になります。

次に、神職の方々をはじめ参拝者が、罪穢(ツミケガレ)を祓い清める「大祓詞(オオハラエノコトバ)」を唱えた後、宮司を先頭にして榊・塩・水を捧げ持った3人の神職が3基の火床を巡り、宮司が榊・塩・水を火床に振りかけ清めます。

次に、楽太鼓(ガクダイコ)と和琴(ワゴン)の囃子、歌に合わせて2人の神楽女が神楽舞を舞います。同時に3人の神職が火焚串を火床に何度も投げ入れます。

神職一同と参拝者が大祓詞を唱える、宮司と神職が火床を清める、神楽女が神楽舞を舞うとともに神職3人が火焚串を火床に投げ入れる、これを3回繰り返し火焚神事は終わります。祓い清められた火焚串は10数万本といわれます。

火焚神事が終わると、神事で使用された榊・塩・水が容器ごと八足台の上に並べ展示されますが、これを見に行った時には器しか残っていませんでした。

この後、18時から本殿前庭で「御神楽(ミカグラ)」(人長(ニンチョウ)の舞)が舞われますが、今回は見学せずに帰りました。

 

     火 床                              火床に点火する

 

火焚串を投げ入れる

 

    榊・塩・水を運ぶ              榊・塩・水を火床に振りかける

 

神楽舞の囃子方                             神楽舞

  

祭りの栞(トップ)

 

inserted by FC2 system