御田祭(松尾大社)

【祭礼日】7月第三日曜日
【場 所】松尾大社(京都市西京区嵐山宮町3)

【日 程】10:00~10:45(神事)、10:45~11:15(御田祭)

松尾大社の「御田祭」は五穀豊穣を祈願する祭りで、室町時代の永和2年(1376年)の「松尾社年中神事次第」にその記録があり、600年以上の歴史があるとされています。

明治時代以前は6月23日にそれ以降は7月23日に行われていましたが、昭和49年(1974年)から7月第三日曜日に行われるようになりました。

祭礼当日9時頃に大社に着くと、拝殿には2段・3段に組まれた棚に所狭しと夏野菜が供えられています。それぞれ段ボール箱などに収められ地区名と奉納者名が書かれた名札が添えてあります。箱に入りきらない直径30cm・長さ50~60cmもある巨大な冬瓜(トウガン)や直径40cm余もある南瓜(カボチャ)もあります。

祭りの中心になる「植女(ウエメ)」3人は、氏子域内の松尾・嵐山・下津林(シモツバヤシ)の3地区から10才前後の少女が1人ずつ選ばれます。植女は、ピンクの振袖の上に袖の長い緑の打掛を羽織り、紅白の襷を掛け胸元に中啓(チュケイ)を挿し、赤の脚絆・白足袋を着け花笠を被っています。花笠にはアヤメの花が3本付いています。

本殿での神事の後、植女3人は神前に供えられていた早稲・中稲・晩稲の3種の早苗を宮司から手渡されます。

植女は「壮夫(マスラオ)」と呼ばれる男の肩に担がれます。壮夫は父親がその役を担っているようです。植女は、十文字に組まれた早苗2本ずつを持った両手を目一杯左右に拡げ、神職や笙(ショウ)・篳篥(ヒチリキ)・龍笛(リュウテキ)を奏する楽人4人などとともに拝殿を三周します。

植女が拝殿を三周するのは、早苗に神霊が降下するのを促す所作だといわれます。この行事と同時進行して、拝殿では「金剛会」による素謡「神歌」・仕舞などが奉納されています。

拝殿を三周すると、植女は地面に下ろされ早苗を手に持って壮夫と手をつないで、境内の南にある神饌田に向かいます。

神饌田に着くと早苗は、神職などにより一旦八足台の祭壇に置かれます。その後、青と黄で色分けされた半纏・白のハーフパンツ姿に青と赤の襷を掛けアヤメの花を付けた一文字笠を被る男女各1人により、神饌田の四隅に早苗が植えられます。

次に、狩衣(カリギヌ)姿に烏帽子を被る神職3人が神饌田の四隅で「虫除け神事」を行います。長さ2mほどの木の枝を持つ神職の傍らで、別の2人の神職が、下部を細かく割いた直径10cm・長さ1mほどの竹で神饌田四隅の地を突きます。

以上で神饌田での神事は終わり、全員そろって楼門前で記念写真を撮ります。

 

拝殿に奉納された野菜              神前に奉献された早苗

 

  奉仕者をお祓いする                     壮夫の肩に担がれた植女

 

楽人と共に拝殿に向かう                       拝殿を三周する  

 

素謡を奉納する(金剛会)                     神饌田へ向かう   

 

   早苗を祭壇に供える                   神饌田の四隅に早苗を植える

 

神饌田の四隅で虫除け神事                      全員で記念写真   

祭りの栞(トップ)

 

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