犬甘野の御田(松尾神社)

【祭礼日】7月第一日曜日
【場 所】松尾神社(亀岡市西別院町犬甘野宮ノ谷5)

【日 程】14:00~15:30

犬甘野(イヌカンノ)松尾神社の「御田」は、五殻豊穣を祈念して行われ鎌倉時代より始まったとされています。

松尾神社全体は鬱蒼とした森の中にあり、烏帽子を被り紙垂(シデ)と麻の付いた大榊を持つ白丁(ハクチョウ)姿の1人を先頭にして宮司・氏子役員4人・早乙女2人・白丁姿の3人の順で、昼間でも薄暗い山道のような参道を進み、拝殿で祓所(ハラエド)の神事をした後、行列を組み直して本殿に向かいます。

氏子役員は金襴の肩衣(カタギヌ)を着けています。早乙女は薄水色の振袖姿に赤の蹴出し・赤の帯・赤の襷を着け角笠(ツノガサ)を被っています。早乙女2人と白丁姿の4人は全員裸足で湿った参道を進みます。

本殿で献饌・祝詞奏上・玉串奉奠の神事の後、本殿前の田と見立てた「上のマチ」と呼ばれる場所で御田が行われます。

最初に「田まわり」が行われます。大榊を持った白丁姿の1人が上のマチの四隅を周回しながら、「ありがたやありがたや、天の恵みにより水は満々、早苗は上々」と口上を述べます。次に、鍬を持った白丁姿の2人が畦を塗るような所作をします。

次に、「代かき」が行われます。先端に模型の牛が付いた唐鋤(カラスキ)が登場します。牛は、縛り固めた藁を芯にして胴体と足を作り全身を朴葉(ホオバ)で覆ったもので、手綱もあり頭部には2本の角も付いています。模型の牛が付いた唐鋤は初めて見ます。

白丁姿の牛使い役1人が右手で手綱を持ち、左手で車輪の付いた唐鋤の柄を下に押し牛を浮かせながら、上のマチを器用に周回し代かきの所作をします。

次に、「田植え」が行われます。2人の早乙女が横に並んで、白丁姿の1人が打つ太鼓の音に合わせて、広げた扇の面を榊の葉で擦るようにして田植えの所作をします。早乙女の後ろには鍬を持った白丁姿の2人が控えています。早乙女は、上のマチを3往復して田植えが終わります。

次に、昼食休憩になり、氏子役員が段ボール箱の中から取り出した紙包みを村人に配ります。紙包みには一個ずつ村人の名前が書かれていて、その中には饅頭が入っているそうです。観客には森永のキャラメル1箱が配られます。

休憩が終わると、上のマチから石段3段下がった下のマチで同じように、田まわり・代かき・田植えの順で御田が行われ、最後に、本殿で撤饌が行われ御田の行事が終わります。

この後、拝殿で「犬甘野太鼓」が奉納されます。

 

    神事(拝殿)               拝殿から本殿へ向かう 

 

田まわり(上のマチ)

 

 代かき(上のマチ)                       田植え(上のマチ)

 

 休憩(饅頭を配る)                      田まわり(下のマチ)

 

田まわり(下のマチ)                       代かき(下のマチ)

 

 田植え(下のマチ)                        犬甘野太鼓(拝殿)

祭りの栞(トップ)

 

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