【祭礼日】6月10日
【場 所】伏見稲荷大社(京都市伏見区深草藪之内町68)
【日 程】13:00(本殿祭)、14:00~14:30(田植祭)
伏見稲荷大社は、全国に30,000社あるといわれる稲荷神社の総本宮です。稲荷山に祭神の稲荷大神が鎮座された和銅4年(711年)から数えて来年、鎮座1300年を迎えます。
伏見稲荷大社の「田植祭」は、4月12日の「水口播種祭(ミナクチハシュサイ)」で苗代に蒔いた「斉種(ユダネ)」(籾)を生育した早苗を神田に植えて豊かな稔りを祈願する神事です。
本殿祭の後、本殿から北へ600mほど奥に入った所にある神田で田植祭が行われます。神田の中にはすでに早苗が配り置かれています。
最初に神職が幣束で神田をお祓いし、次に、御幣櫃(ゴヘイビツ)から取り出した斎串(イグシ)を左右2枚の田の水口にそれぞれ1本ずつ立てます。次に、本殿に供えられていた早苗を御幣櫃から取り出し、神職が素襖(スオウ)姿の植え方代表者に渡し、この代表者が植え方に早苗を渡します。
植え方は、摂津市三島初穂講中の男性8人と早乙女の8人です。男性は白衣に紺の裁着袴(タッツケバカマ)姿、早乙女は水色の上衣に茜の裁着袴姿にそれぞれ菅笠を被っています。
植え方が左右の田に分かれて田植えを始めると、青と白の縦縞の幕・浅黄幕(アサギマク)を巡らした壇上で、平安時代の汗衫(カザミ)装束を身に着けた神楽女4人が、楽人の囃子と「お田舞歌」に合わせて「御田舞(オタマイ)」を舞います。
15分ほどで御田舞が終わると、初穂講中と早乙女の皆さんは壇上に戻り田植祭は終わります。その後、改めて初穂講中と早乙女の皆さんは残りの早苗を植えます。
神田で育った苗は10月25日の抜穂祭(ヌイボサイ)で収穫され、11月23日の新嘗祭(ニイナメサイ)で稲荷大神に供えられます。
<お田舞歌>
山城や 稲荷の神の み田祭り いざ諸共に 行きて舞わばや
八束穂(ヤツカホ)の 稲荷のみ田におり立ちて 舞いつ奏でつ 植うる早乙女
稲荷山 かげを浸せる斎田(イワイダ)に 八束垂穂(タリホ)の 秋の色みゆ
神 田 神田をお祓いする
水口に斎串を立てる 早苗を運ぶ
神田に早苗を植える
御田舞と田植え 楽 人
神楽女が御田舞を舞う