【祭礼日】6月第一日曜日
【場 所】摩気神社(南丹市園部町竹井宮ノ谷3)
【日 程】10:00~11:00
摩気(マケ)神社の御祭神は、水や食物を司る神とされる「大御饌津彦命(オオミケツヒコノミコト)」で、神社名の「マケ」は「御饌(みけ)」に由来するといわれています。
摩気神社の「お田植え祭」は、宮本である竹井集落の五穀豊穣を予祝する神事で、かつては旧暦5月5日(端午の節句)に行われていましたが、改暦により6月5日となり、現在は6月第一日曜日に行われています。
祭りは、宮司・氏子総代(竹井集落にある篠田・元摩気・辻田・今井の4地区から1名ずつ)・宮主・早乙女・敬神婦人会などにより執り行われます。
お田植え祭の今日、杮葺(コケラブキ)の本殿屋根と茅葺(カヤブキ)の拝殿屋根には、ヨモギと菖蒲が載せてあります。
三方(サンボウ)に載せられた粽(チマキ)50本が他の神饌とともに神前に供えられ、宮司が祝詞を奏上した後、拝殿で一回目の「お田植踊り」が奉納されます。
藍染めの木綿の絣に緑の帯を締め赤の襷を掛け赤緒の草履を履いた「敬神婦人会」の女性12人が、3人の女性が歌う「お田植え祭の歌」に合わせて輪になって踊ります。踊りの輪の中央には巴紋を描いた大太鼓が据えてあります。
次に、裃姿の宮主(ミヤヌシ)が、本殿への階段で鍬に見立てた家型の鳴子を鳴らしながら「代掻き」の所作をします。
次に、宮司が2人の早乙女に早苗に見立てた粽を5本ずつ手渡しします。早乙女は5段の階段の一番上の階段に5本ずつ合計10本を並べます。同様に宮司から粽を受けた早乙女2人は上段から下段へと1段に10本ずつ合計50本並べます。この間、宮主は階段下の板敷の右端に正座しお田植の所作を見守ります。
御田植祭で、粽を早苗と見立てること、しかも本殿階段で田植の所作をするというのは珍しいです。
早苗の粽が全て本殿階段に並べられると、拝殿で二回目のお田植踊りが2回奉納されます。
次に、早乙女2人が本殿の階段に並べられた粽を回収し宮司に手渡しします。
次に、一同は拝殿に戻り宮司・氏子総代・宮主・早乙女・敬神婦人会の順で玉串を奉奠し、神饌を撤し神事は終わります。
その後、参拝者に粽が授与され、神事参列者に御神酒が拝戴されます。
<お田植え祭の歌>
一、ひとつ心に植えゆく早苗、神のみ前の大床(オオユカ)に
二、古きためしの粽の田植え、捧げまつらん大前(オオマエ)に
三、御饌(ミケ)の大神かしこきみ名を、たたへ祀(マツリ)し摩気の里
四、万(ヨロズ)千秋の長五百(ナガイホ)秋に民の栄えを守ります
五、今井、竹井の天津(アマツ)の八井は、辻田、篠田に水分(ミクマ)りつ
六、村の乙女が斉(ユ)まわり清め、舞いつ奏でる田植歌
七、流れ豊かな新江(ニエ)川筋に、開く千町田(チマチダ)穂が稔る
八、八束(ヤツカ)の足穂(タリホ)と実りの秋を、祈(コイ)のみまつり歌うなり
九、神のみかげは彌永(イヤトコシエ)に、恩頼(ミタマノフユ)のかしこしや
十、今日は嬉しやお田植えまつり、みいつ恐(カシコ)み祝うなり
粽 お田植踊り
代掻き 宮司から粽の早苗を受ける
階段に粽の早苗を並べる
歌 方 お田植踊り
粽を授与する 御神酒拝戴