山蔭祭・式包丁(山蔭神社)

【祭礼日】5月8日
【場 所】山蔭神社(京都市左京区吉田神楽岡町30 吉田神社内)

【日 程】14:00~15:00

山蔭(ヤマカゲ)神社は吉田神社の境内末社で、昭和32年(1957年)、吉田神社御鎮座千百年大祭を機に全国の料理関係者の協賛により創建されました。

御祭神の藤原山蔭は、貞観元年(859年)、平安京鎮護の神として奈良春日大社の大神を勧請し吉田神社を創建した人で、わが国においてあらゆる食物を料理調味づけられた始祖で、包丁の神・料理飲食の祖神とされています。

山蔭祭で行われる「式包丁(シキホウチョウ)」は、平安時代から伝わる庖丁師により行われる儀式で、食材に直接手を触れず包丁と真魚箸(マナバシ)で捌きます。

神職が祭典参列者のお祓いをした後、幅2m・奥行き1mほどの式台の前で生間流(イカマリュウ)による式包丁が行われます。最初に3人の楽人が笙(ショウ)・篳篥(ヒチリキ)・龍笛(リュウテキ)で雅楽を奏します。

式包丁の奉仕者は、魚を運ぶ人・魚を式台に置く人・魚を捌く人・捌かれた魚を大皿に盛る人などに役割が細分化されています。

薄黄色の直垂(ヒタタレ)姿に立烏帽子(タテエボシ)を被った1人が鯉を式台に置くと、薄水色の直垂姿に立烏帽子を被った庖丁師が、料理作業をしやすくするため直垂の袖括りの紐を手首部分で絞り、紐の余り部分を首の後ろに回します。

庖丁師は包丁と真魚箸を頭上で構えた後、鯉に直接手を触れず器用に捌きます。捌き終わると山吹色の直垂姿の庖丁師が、捌かれた鯉を同じように直接手を触れず包丁と真魚箸で大皿に盛ります。

この大皿を淡紅色の直垂姿の1人が白の狩衣(カリギヌ)姿の神職に渡し、神職は大皿を神前に運びます。

次に、先ほど鯉を大皿に盛った包丁師が鯛を捌きます。鯛は三枚に下ろして、骨だけが付いた尾頭付きの状態で式台に立てます。捌かれた鯛を大皿に盛るのは、鯉を捌いた薄水色の直垂姿の包丁師です。

大皿に盛られた鯛を、淡紅色の直垂姿の人から受け取った神職が神前に供えると、楽人が雅楽を奏し、その後、神前で祝詞奏上・玉串奉奠などの神事が行われ山蔭祭は終わります。

 

 式 台                                  楽 人

 

     鯉を式台に載せる                    包丁と真魚箸を頭上で構える

 

庖丁と真魚箸で鯉を捌く

 

  捌いた鯉を大皿に盛る                     庖丁と真魚箸で鯛を捌く

 

 庖丁と真魚箸で鯛を捌く                   神前に供えられた鯛と鯉  

 

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