お田植式(綾部八幡宮)

【祭礼日】4月第一日曜日
【場 所】綾部八幡宮(綾部市宮代町明知9)

【日 程】10:00(神事)、11:00~11:40(お田植式)

綾部八幡宮の「お田植式」は五穀豊穣を神に祈る神事として、江戸時代の寛政年間(1789~1801年)から行われてきましたが、戦時中の1943年頃に途絶え、1994年約50年ぶりに復活しました。

本殿で神事の後、社殿前で「和太鼓一座丹州」による太鼓演奏が奉納され、その後、社殿前のすのこ板と茣蓙を敷いた舞台の上でお田植式が行われます。式は寛政8年(1796年)に書かれた古文書を基に可能な限り忠実に再現したものだそうです。

お田植式は、白の狩衣(カリギヌ)姿に烏帽子(エボシ)を被り翁の面をつけた「半左衛門」と白の狩衣姿に烏帽子を被った「兵衛」との問答で進められます。

最初に、半左衛門と兵衛の二人が暦を見て農耕開始の時期を確かめた後、半左衛門役の翁面が、田起こし・田すき・草まき・田ならし・種まき・水戸まつり・田干し・鳥追い・水当てまでを演じ、以後の苗取り・田植えは白の狩衣姿の八幡宮・二宮・若宮、熊野・味方の禰宜(ネギ)5人が演じます。

囃子方は、裃姿の笛4人(神子2人含む)・締め太鼓3人・鉦2人で、神子の2人は巫女姿の少女です。歌方は裃姿の6人と白丁(ハクチョウ)姿の3人で囃子方の後ろに立ちます。

田起こしでは、翁面が鍬で田を起こす所作をし、田すきでは、唐鋤(カラスキ)に牛頭と杉の枝を付け、田を鋤(ス)く所作をしながら参道まで飛び出したりして皆さんの笑いを誘います。

草まきでは、杉の枝を盛った二つの籠を天秤棒で担ぎ、肥料となる草を田に撒く所作をします。田ならしでは、柄振(エブリ)で田を均します。

水戸まつりでは、榊の枝を捧げ振って豊作を祈願します。この時、裃姿の笛方1人が笛を吹きます。鳥追いでは、糸車を手で回して糸を紡ぐ所作をしたり、先端に赤・青・白・黄の布を付けた簓(ササラ)竹を叩いて鳥を追う所作をしたりします。

苗取りでは、笛・締め太鼓・鉦の囃子と歌方の歌に合わせて、5人の禰宜(ネギ)が稲の苗束を持って苗代から稲苗を抜き取る所作をし、田植えでは稲苗を田に植える所作をします。

苗取りと田植えの間には、昼食休憩があり禰宜5人と半左衛門・兵衛役が紙に包まれた蕨(ワラビ)・蕗(フキ)などを食す所作があります。

田植えが終わると、赤・青・黄の傘鉾を持った裃姿の3人と白扇を持った5人の禰宜が、参道からお田植え式の舞台に入ってきて「さんやれ、さんやれ」と歌いながら輪になって踊ります。この時、囃子方が囃子を奏し歌方がさんやれの歌を歌います。

さんやれが終わると、半左衛門・兵衛役が舞台に座り本殿に向かい、奉仕者一同とともに柏手を打ち一礼してお田植式が終わります。

 

        奉納太鼓                         半左衛門(左)・兵衛(中)

 

田起し                                  田すき

 

 草まき                                 田ならし

 

  種まき                                水戸まつり

 

糸つむぎ                                 鳥追い

 

 苗取り                                昼食休憩

 

   田植え                               囃子方・歌方

 

さんやれ                               傘 鉾

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