嵯峨お松明式(清凉寺)

【祭礼日】3月15日
【場 所】清凉寺(京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46)

【日 程】20:00(涅槃会法要・お練り)、20:30(お松明に点火)

清凉寺(セイリョウジ)は釈迦如来像を本尊としているので嵯峨釈迦堂とも呼ばれています。3月15日は、お釈迦さまの入滅した日(旧暦2月15日)で「嵯峨お松明式」は、お釈迦様の遺徳をしのぶ「涅槃会(ネハンエ)」行事の一つで、お釈迦様が荼毘(ダビ)に付される様子を表わすとされています。

嵯峨お松明式は、8月16日の「五山送り火」、10月22日の「鞍馬の火祭」とともに京都三大火祭りといわれています。

当日14時頃に清凉寺に着くと、境内中央にある本堂と仁王門との間には逆三角錐の3本の大きな松明が立っています。松明の高さはそれぞれ7mほどあり、三角錐の骨格をなす3本の柱とこれを補強する横木はアカマツ、柱と横木を括るのはフジツル、松明の3側面には柴木が括り付けられ、表面は稲穂を表わす松葉で覆われています。

それぞれの松明の3側面のうちの1側面には、フジツルで作った直径30cmほどの天狗の顔と大きく突き出た鼻とが、縦一列に12ヶ(閏年は13ヶ)ずつ付いています。天狗の顔が付いた側面は仁王門の方に向けられています。

3本の松明は早稲・中稲・晩稲を表わし、松明を燃やした時、それぞれの火勢の強弱によりその年の稲の豊凶を占うのだそうです。

松明の本堂側には護摩壇が設けてあります。護摩壇は長さ2mのアカマツを井桁に5段組んだもので、これを杉枝で覆っています。

本堂外廊下の右側には高張提灯13本が立て並べてあります。赤い提灯の高さは不均一で、かつては提灯の高低でその年1年間の米相場を占ったそうです。

狂言堂で行われた「嵯峨大念仏狂言」を見学した後、お松明式を見学しました。松明の周りはすでに大勢の人で囲まれていて、人垣の薄い仁王門側で見学することにしました。松明を挟んで護摩壇とは反対方向です。松明に付けられた天狗の顔がよく見える位置になります。

20時から護摩壇前で「涅槃会法要」が始まります。護摩壇に火が点けられ僧侶が横一列に並んで読経します。その後、お練りが始まります。念仏を唱える僧侶を先頭にして、高張提灯10本ほどと丸提灯50ヶほどを持つ「嵯峨お松明式保存会」の会員などが、列をなして松明の周りを三周します。

お練りが終わると、護摩木の火を移した藁束を3本の松明の中に投げ入れ点火します。2~3分もしないうちに松明は激しく燃え上がり、その熱さに我慢できず皆さん一斉に後ろに退きます。保存会の方々は、高張提灯や丸提灯を持って横2~3列に並んで、お松明が燃え尽きるまで見守ります。

 

          本 堂                                               米相場を占う高張提灯

 

    仁王門側から見たお松明                             本堂側から見た護摩壇とお松明

 

護摩壇に点火する                                           燃え上がる護摩壇

 

お練り

 

お松明に点火する

 

燃え上がるお松明

 

お松明を見守る保存会員                                       燃え尽きるお松明    

    

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