はねず踊り(隨心院)

【祭礼日】3月最終日曜日
【場 所】隨心院(京都市山科区小野御霊町35)

【日 程】11:00(はねず踊り・今様・出雲風流花踊り)、12:30(はねず踊り・今様)、13:30(はねず踊り・今様・出雲風流花踊り)、15:00(はねず踊り・今様)

隨心院(ズイシンイン)は、弘法大師より8代目の弟子にあたる仁海(ニンガイ)僧正が随心院の前身である曼荼羅寺を開基したといわれ、平安時代の女流歌人小野小町ゆかりの寺でもあります。

境内には、多くの貴公子から小野小町に寄せられた千束の文を埋めたと伝わる「小町文塚」、小町がこの水を使い化粧をしていたと伝わる「化粧井戸」などがあります。

昔、深草(現在の京都市伏見区)に住む少将が小野小町を慕い、深草から山を越えて小野小町の許へ「百夜通い」を続け、その九十九夜に大雪の中で息絶えたとも、代人を立てたため恋は成就しなかったともいわれています。

「はねず踊り」は、深草少将の伝説をもとにした童べ歌に踊りを振り付けたもので、大正時代の末まで子供たちが童べ歌を歌い踊りながら家々を回っていました。その後途絶えていたのが、昭和48年(1973年)に復活されました。

「はねず」とは梅の花や薄紅色を表す古語で、隨心院にこの時期に咲く遅咲きの紅梅ははねずと呼ばれていたそうです。

境内に設けられた特設舞台で、はねず色の段絞りの小袖を着け、紅梅の枝を挿した菅笠を被り手に紅梅の枝を持った小学4~6年生の女児が、小町役4人・少将役4人・風流傘持ち2人・声かけ2人に分かれて、尺八・箏(コト)・カネ・鈴・太鼓の囃子と唄に合わせて踊ります。

はねず踊りが終わると、白拍子姿の女子中学生2人が「今様」を舞います。箏と唄に合わせて紅梅の枝を持って、次に、赤の扇を持って舞います。

はねず踊りと今様はこの日4回披露されますが、11:00と13:30の2回には、はねず踊りと今様に加えて年ごとに異なる芸能が披露されます。今年は京都府無形民俗文化財の「出雲風流花踊り」が披露されました。

出雲風流花踊りは、室町時代から続く雨乞いと雨の恵みに感謝する風流踊りで、毎年4月18日、亀岡市の出雲大神宮で行われる鎮花祭で奉納されます。

踊り手は色とりどりの狩衣(カリギヌ)姿に締め太鼓を持つ10人と幣束を付けた竹を持つ2人で、12人はいずれも1月~12月を表した花を付けた一文字笠を被っています。

<はねず踊り>

前歌(省略)

一 少将さまがござる 深草からでござる

  毎夜よさりに 通うてござる

  かやの木の実で 九つ十と

  日かずかぞえて ちょいとかいみりゃ

  今日もてくてく よー おかよいじゃ

二 少将さまがござる 深草からでござる

  雪の夜みちを とぼとぼとござる

  今日でどうやら 九十と九夜

  百夜まだでも まぁおはいりと

  あけてびっくり よー おかわりじゃ

    (以下省略)

 

はねず踊り

 

はねず踊り

 

今  様

 

出雲風流花踊り

 

出雲風流花踊り

祭りの栞(トップ)

 

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