【祭礼日】2月24日
【場 所】上賀茂神社(京都市北区上賀茂本山339)
【日 程】9:30~12:30
上賀茂の「さんやれ祭」は上賀茂地域農家の元服の儀式で、男子が15才になると「あがり」といい、この儀式を終えると里の仕事・祭礼・町内行事などで一人前の大人として扱われます。江戸時代初期から行われ400年の歴史があるといわれています。さんやれ祭は「在幸祭」とも書き、幸あれとの意味です。
上賀茂地域では農家を中心としたサンヤレ講が組織され、あがりの子供がいる講中の家を宿(ヤド)とし、23日夜、この家に男子が集まり一緒に夜を明かし、24日、行列を組んで鉦・太鼓・笛を囃しながら地区を練り歩き、上賀茂神社の境外摂社である太田神社と上賀茂神社に参拝し成人を奉告します。
太田神社に行く途中で、地区を練り歩く一組の行列に出会いました。大将木と呼ばれるアオキの幣をもつ大人3人を先頭にして、鉦打ちの子供3人・あがりの子2人・笛を吹く大人4人などが続きます。
鉦打ちの子供は首から吊り下げた鉦を打ち鳴らしながら「おめーでとうーござるー」などと節をつけて囃します。鉦を吊り下げる紐の首後ろ側にはアオキの枝を挿しています。あがりの子は大島紬の羽織姿に白の襟巻を掛け黒足袋・下駄を履き、手に持つ締め太鼓を打ちます。
この行列を見送った後、太田神社に行くと別組の行列に出会いました。黒の礼服姿で供物を盛った三方(サンボウ)を持つ3人・鉦打ちの子供2人・あがりの子1人・付人1人の少人数でした。拝殿で参拝を終えると社殿を三周して神社を退出します。
次に、最初に出会った組も同様に太田神社に参拝し社殿を三周すると、行列を組み直して上賀茂神社に向かいます。上賀茂神社では祓所(ハラエド)の「土屋」でお祓いを受けた後、神職に伴われ本殿に向かい成人を奉告します。
大将木を持つ付人 鉦打ちとあがりの子
笛吹き 供物を持つ付人(太田神社)
鉦打ちと「あがり」の子(太田神社) 太田神社に参拝する
太田神社社殿を三周する 上賀茂神社参道を進む
祓所でお祓いを受ける 神職と共に本殿に向かう