斎宮初午祭(竹野神社)

【祭礼日】2月初午に近い日曜日(旧暦)
【場 所】竹野神社(京丹後市丹後町宮245)

【日 程】10:00(初午祭神事=本殿)、11:30(乗馬体験=丹後古代の里資料館駐車場)、13:00(竹馬リレー=参道)

竹野(タカノ)神社は、延長5年(927年)に纏められた「延喜式神明帳」にその名が記載された「式内社」で、祭神は「天照大神(アマテラスオオミカミ)」です。

竹野神社社殿と並んで摂社の斎宮(イツキノミヤ)神社が建っています。斎宮神社の祭神は、「日子坐王命(ヒコニイマスミコ)」「建豊波豆良和気命(タケトヨハズラワケノミコト)」「竹野媛命(タカノヒメノミコト)」の3柱で、竹野媛命について「古事記」では次のように記されています。

「若倭根子日子大毘毘命、坐春日之伊邪河宮、治天下也。此天皇、娶旦波之大縣主・名由碁理之女・竹野比賣、生御子、比古由牟須美命。」

口語訳すると、「若倭根子日子大毘毘命(ワカヤマトネコヒコオオビビノミコト)(第9代開化天皇)は春日の伊邪河宮(イザカハノミヤ)で天下を治めました。この天皇が丹波の大県主である由碁理(ユゴリ)の娘の竹野比賣(タカノヒメ)を娶って、産んだ子供は比古由牟須美命(ヒコユスミノミコト)です。」 

開化天皇の妃となった竹野媛が、晩年帰郷した際に「天照大神」を祀って竹野神社を創建したと伝えられています。

竹野神社の「斎宮初午祭」は、五穀豊穣・大漁・商売繁盛を祈願して江戸時代から行われてきた祭りで、昭和40年代前半から20年ほど中断していましたが、平成元年(1989年)3月に復活しました。

祭り当日朝9時過ぎに神社に着くと、参道の両脇にテントが13張も張られていました。ぜんざい・甘酒・ビール・焼き鳥・うどんなどの模擬店と会食席で、その前では男性3人が木臼・杵でぜんざい用の餅を搗いています。

10時から竹野神社で初午祭の神事が始まり、参列者のお祓い・祝詞奏上・玉串奉奠がなされ30分ほどで終わります。

その後、参列者の1人に、斎宮初午祭で行われる「竹野のテンキテンキ」は何時から始まるのかお聞きしたところ、「踊り子の子供がいなくなり3年前から休止している。朝から神社・御旅所・氏子の家を1軒ずつ回って一日中踊り続けるハードな行事で、踊りを担当する地区(竹野)が限定されているため踊り子が揃わない」とのことでした。

竹野のテンキテンキは収穫に感謝する祭りで、絣の着物・羽織姿に鉢巻を締める子供6人が、太鼓持ち1人・太鼓打ち1人・ササラ4人で組となり、「コエカケコエカケハジメヨウ テンキテンキ ヒヨリヨイサ」と声を上げ、太鼓とササラを鳴らして町内を巡回します。

京都府無形民俗文化財に登録されていることもあり、2~3年後に復活するべく関係者で打ち合わせしているそうです。

神事のあと、神社の北1Kmほど歩いて「間人(タイザ)の海」にある「間人(ハシウド)皇后ゆかりの碑」と「立岩」を見学しました。

間人皇后は、第31代用明天皇の皇后で厩戸(ウマヤド)皇子(聖徳太子)の母で、蘇我・物部氏間の戦乱からこの地に逃れ、乱が治まり都へ帰る時、里人への感謝の念をこめて「大浜の里に むかしをとどめてし 間人村と 世々につたえん」と歌を詠み、自らの名をこの地に送りました。

里人は皇后の名をそのまま地名にするのは畏れ多いとして、大浜の里を御退座されたことに因んで「間人」を「たいざ」と読み替えて伝えたといわれています。

間人皇后の歌碑が設けられた東の浜に、高さ25m・周囲1Kmほどの「立岩」と呼ばれる大きな岩があります。この岩には厩戸皇子の異母弟の麻呂子(マロコ)親王が大江山で退治した鬼が封じ込められているとの伝説があります。

間人皇后ゆかりの碑と立岩を見学して竹野神社に戻ると、模擬店には人がいっぱい入り大賑わいでした。神社近くの「丹後古代の里資料館」駐車場では子供の乗馬体験が行われていました。順番待ちの列ができ、京都府警「平安騎馬隊」の職員が乗馬をサポートしています。

午後からは、参道で子供5人一組の竹馬リレーが数組で行われるそうです。参道は、間人の海に向かって三の鳥居から一の鳥居まで一直線で500mもあります。

 

  ぜんざい用の餅を搗く                     神事参列者をお祓いする

https://maturinosiori.web.fc2.com/kyt/02/hatuumasai-takano/hatuumasai-takano_7097.jpg 

祝詞奏上                                玉串奉奠

 

竹野神社                          斎宮神社      

 

間人皇后ゆかりの碑                         間人の海と立岩 

 

 模擬店                                乗馬体験

祭りの栞(トップ)

 

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