中西の大神楽(三輪神社)

【祭礼日】上旬の土・日曜日(不定期、2019/10/4~5=7年振り)
【場 所】三輪神社(郡上市白鳥町中西751-1)

【日 程】土曜日9:00(神事=三輪神社)、10:00(打ち出し=中西区民センター)、10:30(大神楽奉納=西坂水神様)、11:00(大神楽奉納=氏子総代宅)、13:00~15:30(大神楽奉納=三輪神社)

日曜日10:00(打ち出し=祭礼顧問宅)、10:30(大神楽奉納=祭礼実行委員長宅)、11:00(大神楽奉納=自治会長宅)、13:00(大神楽奉納=三輪神社)、16:00(桟敷笛・獅子舞・餅投げ=三輪神社)

『中西の大神楽は200年以上の伝統があるといわれ、宝暦騒動(1754~1758年)のあと、五穀豊穣を感謝して奉納したのが始まりといわれます』(当日配布のチラシより) 同じ白鳥町の中津屋から伝授されたのだそうです。

中西の大神楽は不定期開催で、前回は12年振りに開催され今年は7年振りの開催です。今回は土曜日の大神楽を見学しました。

9時から神職4人と氏子関係者10人ほどにより三輪神社拝殿で神事が行われた後、神社から500mほど離れた中西区民センターで大神楽が打ち出されます。その後、皆さん車に分乗して2Kmほど西にある「西坂水神様」に移動します。知り合いのMさんの車に乗せていただいて現地に向かいました。

【行 列】西坂水神様では行列を組んで宮入りします。行列は、警護・出花・警護2人・薙刀2人・槍奴5人・田打ち奴15人・警護2人・行燈・東西呼ばり・おかめ・かねすり坊主・ササラ摺り・獅子2頭・鼻高・市兵衛・笛吹き10人・神楽台・神楽打ち2人・付け太鼓打ち・鼓打ち5人などの順です。他に鬼・般若などが匹います。

【衣 装】警護は、黒の羽織着流し姿に一文字笠を被っています。薙刀振りは、顔化粧し段だら模様の紺の半纏・股引きを着け兜を被り、腰に太刀を帯び薙刀を持っています。

槍奴は、顔化粧し段だら模様の紺の半纏・股引きを着け腰に2本の太刀を帯び、額に白の幅広の布を当てこの上から赤や黄緑の鉢巻を締め長柄の槍などを持っています。

田打ち奴は、顔化粧し青の半纏にエンジや紺色のズボンを着け、神社の神紋が描かれた柄の短い鍬を持っています。大半は女児ですが男児は顔に髭を描いています。田打ち奴の大人の指揮者2人は顔化粧し紺の段だら模様の半纏・股引き姿に花笠を被っています。

神楽打ちの男児は、唐子風の着物・裁着袴(タッツケバカマ)姿に花笠を被り赤い撥(バチ)を持っています。 ササラ摺りは太鼓打ちと同じ衣装でササラを持ちます。付け太鼓打ちと笛吹きは、黒の羽織着流し姿に一文字笠を被っています。鼓打ちの女児は、青や紺の裃姿に小太刀2本を帯び鶏兜を被っています。

行燈持ちと東西呼ばりは、白丁(ハクチョウ)姿に立烏帽子(タテエボシ)を被っています。おかめはササラを持ち、かねすり坊主は僧衣の背に花などを負い小型のシンバルを持ち、市兵衛は栽着袴姿に兜を被り飾り棒と扇を持っています。

【配 置】神楽台の四隅に立てられた弊束には注連縄が張り巡らされこの中に大太鼓が置かれ、この隣に付け太鼓として締め太鼓が据えられています。神楽台の大太鼓を男児2人が打ち、付け太鼓を大人1人が打ちます。

獅子は2頭で、竹ヒゴ3本で張った胴幕には獅子頭持ちを含め4人が入り、ササラ摺りの男児1人とともに舞います。神楽台を正面とし獅子とササラ摺りが相対します。胴幕には「令和元年新調」との銘が描かれていました。

囃子方は、正面に向かって右側に鼓打ち5人が1列に並び、その後に笛吹き10人が2列に並び立ちます。正面に向かって左側に田打ち奴15人が2列に並び、田打ち奴の後ろに槍奴5人が並び立ちます。

【曲 目】こしづめ・大道行・宮回り・帰り岡崎・とうふや・大神楽・岡崎・まじり・あとばやし・田打ち踊りの10曲あります。

【舞の内容】笛吹きの一人が 拍子木を打つと大神楽が始まります。一同が蹲踞(ソンキョ)する中、東西呼ばりが大幣(オオヌサ)を持って口上を述べると鼻高と市兵衛が飾り棒を持って東西呼ばりの真似をします。続いて囃子が奏されると、鼻高・市兵衛・かねすり坊主の人が何度も揃って跳び上がり、その都度、3人が神楽打ちとササラ摺りを覗きに行きます。

次に、全員が立ち上がって舞が始まります。神楽打ちが神楽台の大太鼓を打ち、鼻高と市兵衛が神楽打ちの真似をして舞います。ササラ摺りと獅子は向き合って舞い、かねすり坊主は獅子とササラ摺りの傍で舞い、おかめは中ほどに立っています。

次に、神楽台と獅子の間で鼻高・市兵衛・かねすり坊主・おかめの4人が輪になって舞います。曲によっては神楽打ちの2人が加わり6人が輪になって、あるいはさらにササラ摺りもこれに加わり輪になって7人で舞います。

西坂水神様での最後の曲「帰り岡崎」では、2頭の獅子とともにかねすり坊主とおかめも名残り惜しそうに後ろを振り返りながらゆっくりと前に進みます。

次の舞い場所の役宅は三輪神社の少し北にあり、西坂水神様から皆さん車に分乗して向かいます。役宅では座敷で大神楽が奉納されますが、槍奴と田打ち奴は入りきらないので外庭で舞います。

役宅での大神楽奉納が終わると昼食休憩の後、三輪神社で大神楽が奉納されます。西坂水神様と同様に行列を組んで宮入りし拝殿に上がり大神楽を奉納します。槍奴は槍を持たずに上がり、田打ち奴の半分は拝殿下で舞います。

次に、拝殿から下りて境内で大神楽を奉納します。境内では最初、拝殿を正面として舞い、次に移動して反対向きを正面として舞います。境内で1時間ほど舞った後、行列を組んで「帰り岡崎」の曲とともに二の鳥居まで進み終了となります。

 

 打ち出し(区民センター)                      神楽打ち(区民センター)

 

 薙刀(西坂水神様)                               槍奴(西坂水神様)

 

 笛吹き(西坂水神様)                           鼓打ち(西坂水神様)

 

             東西呼ばり(西坂水神様)           おかめ・かねすり坊主・七兵衛・鼻高(西坂水神様)

 

獅子とササラ摺り(西坂水神様)                    田打ち奴(西坂水神様)  

 

神楽打ち(三輪神社)                          大神楽(三輪神社)

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