二間手の大神楽(白山神社)

【祭礼日】10月第一土・日曜日
【場 所】白山神社(郡上市明宝二間手328)

【日 程】土曜日〔試楽〕11:00~15:30(当番宿~禰宜宅~神社)、日曜日〔本楽〕11:00~16:00

郡上市の各地では春と秋に一斉に「大神楽」が行われます。今回は「二間手(フタマテ)の大神楽」の試楽を見学しました。

大神楽開始の30分ほど前に当番宿の民家に着くと、舞子・槍奴・長刀振り役を務める子供たちが、宿の座敷で顔化粧し衣装を整えています。

舞子の男児4人の内3人は、花柄の筒袖・軽衫(カルサン)姿に花笠を被り、2人は撥(バチ)を持ち1人はササラを持ちます。もう1人の舞子は、金襴の広袖・軽衫姿に赤の襷を片掛けし、天狗面を額に着け綾棒を持ちます。

【諸役の配置】宿の舞庭の片端には太鼓台が置かれ、相対する端には獅子が位置しています。太鼓台と獅子の前には筵が縦にして敷かれ、その間の中央にも筵が横にして敷かれています。太鼓台には大太鼓と締め太鼓が据えられています。

太鼓台前の筵には撥を持つ舞子2人が互いに向かい合って正座します。獅子の前の筵にはササラを持つ舞子と天狗面を被る舞子が獅子と向かいあって正座します。

獅子の胴幕には獅子頭持ちを含め3人が入り、獅子の後ろに立つ2人が1mほどの棒2本を立てて胴幕を拡げます。胴幕に入る舞方3人は、「毛卍紋(ケマンモン)」が描かれた草色の筒袖・股引を着けています。獅子の後ろに立つ2人は普段着姿に水色の法被を羽織っています。

一直線に並ぶ太鼓台・舞子・獅子を囲むようにして、その両側に笛吹き6人と鼓打ち6人が床几に腰かけます。太鼓台の後ろ側に据えてある締め太鼓の前には太鼓打ち1人が立ちます。笛吹き・鼓打ち・締め太鼓打ちは、いずれも裃姿に一文字笠を被り黒足袋・下駄を履いています。

【太神楽】時間になると、当番宿の庭で太神楽の「打ち出し」が始まります。

最初に、薄緑色の狩衣(カリギヌ)姿に烏帽子を被る「東西呼ばり」が、舞い場の中央にある筵の前で大幣(オオヌサ)を掲げ持って「東西東西・・・」と太神楽の趣旨を口上します。

口上が終わると笛と鼓の囃子に合わせて、撥を持つ舞子2人が太鼓台の大太鼓を打ち、締め太鼓を太鼓打ちが打ちます。ササラを持つ舞子は、ササラを摺りながら獅子とともに舞います。これを天狗面の舞子が、綾棒を振りながら舞子の真似をします。

撥を持つ舞子2人・ササラを持つ舞子・天狗面の舞子は、舞場の中央で輪になって踊ったりします。

大神楽の打ち出しが終ると、田楽・傘鉾・出花(ダシバナ)・東西呼ばり・薙刀振り・槍奴・舞子(天狗面)・舞子(ササラ摺り)・獅子・笛吹き・舞子(大太鼓打ち)・太鼓台・鼓打ち・締め太鼓打ちの順で、次の舞場である禰宜(ネギ)宅へ向かいます。

薙刀振りは、顔を白化粧し、花柄のピンクの襦袢姿に水色の帯を締め浅黄(ウスキ)色の襷・白の脚絆を着け、折編み笠を被り白足袋・草鞋を履き、薙刀を持つ女児2人です。

槍奴は、奴風に顔化粧し、だんだら模様の羽織姿に白の襷を掛け水玉模様の鉢巻を締め、素足に草鞋を履き毛槍を持つ男女児3人です。

禰宜宅の庭に入ると、行列は庭を一周した後、それぞれ所定の位置につき準備が整うと大神楽が2回舞われます。いずれも最初に東西呼ばりの口上が行われます。

太神楽が終わると再び行列を組んで神社へ向かい、神社に着くとそのまま境内を一周した後、30分ほど休憩します。

14時から小休憩を挟んで大神楽が4回舞われ、その後、行列を組んで当番宿へ向かいます。

 

大神楽・打ち出し(当番宿)

 

      禰宜宅へ向かう(獅子)                  禰宜宅へ向かう(舞子・太鼓台)

 

    禰宜宅へ向かう(笛吹き)                 大神楽・東西呼ばり(禰宜宅)

 

大神楽(禰宜宅)

 

大神楽(神社)

 

大神楽(神社)

 

   当番宿へ向かう(薙刀振り・槍奴)           当番宿へ向かう(田楽・傘鉾・出花)

祭りの栞(トップ)

 

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