数河獅子(白山神社・松尾白山神社)

【祭礼日】9月5日
【場 所】白山神社(飛騨市古川町数河1776)・松尾白山神社(飛騨市古川町数河2621)

【日 程】11:30~12:00(式典=松尾白山神社)、12:00~12:20(獅子舞)、12:30(渡御)、13:30~15:00(式典=白山神社)、15:00~15:30(獅子舞=白山神社)(上記は西暦奇数年の場合で、偶数年は神社の順番が逆になります)

古川町の「数河(スゴウ)獅子」は、「曲獅子」・「天狗獅子」・「金蔵獅子」の三段で構成され、毎年9月5日、上数河の白山神社と下数河の松尾白山神社の祭礼に奉納されています。数年前から催されるようになった前夜祭でも数河獅子三段が奉納されているそうです。

祭り当日11時過ぎ松尾白山神社に着くと、「鶏頭楽(ケイトウガク)」を先頭にして獅子舞と囃子方の一行が宮入りするところでした。

鶏頭楽の5人は、鳳凰と龍を染めた白地の長着姿に一文字笠を被る少年・男児で、4人は鉦を1人は平太鼓を胸に吊るし、これを撞木(シュモク)・撥(バチ)で打ち鳴らします。鶏頭楽は飛騨地方の各地で行われています。

その後、式典参列者が祓所(ハラエド)でお祓いをし、石垣上にある拝殿で例祭神事が30分ほど行われます。献饌・撤饌は白の小袖・緋袴姿の少女5人と裃姿の氏子役員が行います。

神事の後、拝殿の隣に敷かれた板敷の舞台で曲獅子と金蔵獅子が奉納されます。金蔵獅子はさわりの部分だけです。高さ3mほどもある石垣上で舞われ、前からでは撮影しにくいので舞台の横から撮影しました。囃子方は、黄の狩衣(カリギヌ)・青の袴姿に立烏帽子(タテエボシ)を被る太鼓1人・笛5人と黒紋付羽織袴姿の摺り鉦1人です。

獅子舞が終わると、松尾白山神社幟・氏子役員・鶏頭楽幟・鶏頭楽・数河獅子幟・獅子・囃子方の順で、1Kmほど東にある上数河の白山神社に向かいます。

松尾白山神社幟を持つのは武者姿に陣笠を被る1人で、氏子役員は裃姿に一文字笠を被っています。二人立ちの獅子2頭と金蔵獅子で登場する天狗面が、道行の囃子「オオバコ」に合わせ舞いながら進むので白山神社に着くのに1時間もかかります。

白山神社に着き祓所で参列者のお祓いをした後、神職と氏子役員により「団子まき」が行われます。その後、拝殿で式典が行われますがこれがなんと1時間半も続きます。その間、ずっと笛・太鼓による式典用の囃子が奏されます。

式典が終わると、高さ3mほどの石垣上に敷かれた板敷の舞台で曲獅子・天狗獅子・金蔵獅子が連続して奉納されます。全部で30分を要し、囃子曲は3段とも同じ「コスズメ」です。

曲獅子は、二人立ち雌雄2頭の獅子が揃って跳びはねたり、肩車・逆抱きしたり、回転・倒立したりして山野に遊ぶ姿を表す勇壮な舞で、舞初(マイゾメ)・振出(フリダシ)・足食(アシクイ)・足噛(アシカミ)・抱抱(ダキカカエ)・前車(マエグルマ)・寝状(ネザマ)・虻形(アブガタ)状・後車(ウシログルマ)・挨拶(アイサツ)と多くの形があります。

天狗獅子は、金髪の天狗と猿・熊が入り乱れて遊ぶうちに獅子が現れ、「ズワエ」と呼ばれる木の枝に餌を付けた竿を持つ猿に釣られた獅子が怒って暴れ、これを天狗が鎮めるというストーリーです。数河地域では現在でも材木伐採に際して木の末のズワエを大切にしているそうです。

金蔵獅子は飛騨地方の各地で舞われている獅子舞で、農作物を荒らす獅子を追い払い退治しようとする天狗面の農夫金蔵が、ヒョットコ(村人)に助けられオカメ(女房)の介抱によって元気を回復して獅子を退治するストーリーです。ヒョットコもズワエを持って舞います。金蔵獅子の天狗は鳥の長い尾羽冠を被っています。

数河獅子は祭礼の1ヶ月ほど前から長老の厳しい手ほどきを受け習得するので、これを「吟味合(ギミアイ)」というそうです。

 

宮入り・鶏頭楽(松尾白山神社)             宮入り・獅子舞(松尾白山神社)

 

祓所でお祓い(松尾白山神社)                  囃子方(松尾白山神社)

 

  曲獅子(松尾白山神社)                   金蔵獅子(松尾白山神社)

 

道行(鶏頭楽)                          道行(獅子舞)

 

  宮入り(白山神社)                      団子まき(白山神社)

 

曲獅子(白山神社)

 

天狗獅子(白山神社)

 

金蔵獅子(白山神社)

祭りの栞(トップ)

 

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