【祭礼日】9月22~23日
【場 所】神明神社(飛騨市河合町角川1531)
【日 程】22日[試楽]12:00~夕方、23日〔本楽〕11:00(式典=神社)、12:00(渡御出発=神社)、12:40~13:40(神事・豊栄の舞・獅子舞・闘鶏楽=いなか工芸館前)、15:00~15:30(浦安の舞・獅子舞・闘鶏楽=川合振興事務所前)、16:40~17:30(獅子舞・闘鶏楽・神事=神社)
角川(ツノガワ)神明神社の例祭は、22日に試楽が23日に本楽が行われます。今回は23日の本楽を見学しました。本楽では、神幸祭(神輿渡御)の中で、御旅所2ヶ所で巫女舞・獅子舞・闘鶏楽(トウケイラク)が奉納され、この他にも道中4ヶ所で獅子舞・闘鶏楽が披露されます。
【獅子舞】拝殿で式典後、拝殿前の庭で獅子舞が奉納されます。二人立ち獅子2頭と「獅子あやし」2人が、獅子1頭・獅子あやし1人の1組ずつ順番に笛・太鼓の囃子に合わせて舞います。飛騨地方でよく見られる「振獅子(フリジシ)」のようです。
獅子あやしは、虎と渦巻き文様の半着・黒の股引姿に襷・手甲・鉢巻を着け、五色の飾りを付けた短槍を持っています。
囃子は笛約10人・大太鼓1人・締め太鼓1人で、獅子の胴幕と同じ色・柄の半纏を着けています。獅子の舞手は、白の半袖シャツに獅子の胴幕と同じ色・柄の軽衫袴(カルサンバカマ)を着けています。
【神幸祭】拝殿前での獅子舞奉納が終わると、社名旗・大幣・獅子舞囃子・獅子・闘鶏楽・楽太鼓・楽人・舞姫・巫女・四神旗・神輿・宮司・神社総代・区役員などの順で行列を組んで最初の御旅所(いなか工芸館前)に向かいます。
闘鶏楽は、鳳凰(リーダーの2人は市松模様)と龍の紋様を染めた白地の長着姿に黒の角帯を締め一文字笠を被り、首から吊るした鉦を左手に持ち撞木(シュモク)を右手に持つ13人です。
楽太鼓は、直径1mほどの大型の平太鼓と50cmほどの中型の平太鼓です。大型の平太鼓は四輪の台に乗せて運び、中型の平太鼓は天秤棒に吊り下げて2人で担ぎます。楽人は、黄緑の狩衣(カリギヌ)・紫の袴姿に烏帽子を被る7人で、このうち5人は龍笛を奏します。
獅子舞の囃子・闘鶏楽の鉦打ち・楽人の笛太鼓が奏され、渡御行列は賑やかに進みます。
【御旅所(いなか工芸館前)】御旅所手前で、2頭の獅子と2人の獅子あやしがそろって振獅子を舞います。御旅所に着くと、茶色の敷物の上で、同じように2頭の獅子と2人の獅子あやしがそろって振獅子を奉納します。
次に、同じ敷物の上に置かれた神輿と祭壇の前で、楽太鼓と龍笛による楽が奏される中、神職により神事が行われます。次に、舞姫4人による「豊栄(トヨサカ)の舞」が奉納されます。次に、獅子1頭と獅子あやし1人による振獅子が奉納されます。いずれも茶色の敷物の上です。
次に、道路を挟んだ向かい側(いなか工芸館側)で闘鶏楽が奉納されます。闘鶏楽は、江戸時代から飛騨地方に伝わる芸能で、鉦打ちが輪になって鉦を撞木で「カンカコカン」と打ち鳴らします。
次に、茶色の敷物の上で獅子1頭・獅子あやし2人・ササラ摺り1人が獅子舞を奉納します。ササラ摺りは獅子あやしと同じ衣装です。獅子あやし2人は獅子の前で、ササラ摺りは獅子の後ろで舞います。
獅子あやしの1人は獅子の背に乗ったりしますが、獅子あやし2人とササラ摺りは暴れる獅子に負かされて地に伏し、これで獅子舞は終わります。ストーリーがよく分かりません。
獅子舞が終わると、行列を組み直して次の御旅所に向かいます。途中1ヶ所で、獅子2頭と獅子あやし2人による獅子舞と闘鶏楽が披露されます。
【御旅所(川合振興事務所前)】2ヶ所目の御旅所では、薄水色の敷物の上で2人の舞姫による「浦安の舞」が奉納された後、獅子舞が奉納されます。
ここの獅子舞では、最初に、ヒョットコ2人・オカメ2人・女装の男児1人が登場します。
ヒョットコは、濃紺の半纏・獅子の胴幕と同じ色・柄の軽衫袴姿で、1人は拍子木を持ち、別の1人は杵を持っています。オカメは、女物の小袖・軽衫袴姿で、1人は大型のスリコギを持ち、別の1人は大型のシャモジを持っています。
拍子木を持つヒョットコはスリコギを持つオカメと、杵を持つヒョットコはシャモジを持つオカメとともに舞い、茜色の地に花を描いた振袖姿に編み笠を被る女装の男児は獅子を相手に舞います。
ヒョットコ・オカメ・女装の男児が退くと、代わりに獅子あやし1人が登場し獅子と舞い、弓矢で獅子を2回射ち、次に、刀を持って獅子と舞い獅子は打たれたようです。これは飛騨から越中にかけ各地に伝承されている「金蔵獅子」によく似ています。
金蔵獅子では、天狗面をつけた男神(金蔵)とお福面をつけた女神(オカメ)が協力して、田畑を荒らす獅子(猪・鹿など)を退治する物語が演じられます。
獅子舞のあと、30分ほど食事休憩しその後、行列を組み直して神社に向かいます。途中1ヶ所で、獅子2頭と獅子あやし2人による獅子舞と闘鶏楽が披露され、神社手前の広場でも獅子舞だけが披露されます。
神社に着くと、境内で獅子2頭と獅子あやし2人による獅子舞と闘鶏楽が奉納され、最後に拝殿で獅子1頭と獅子あやし1人による獅子舞が奉納されます。
式典(神社) 獅子舞(神社)
渡御行列(獅子) 渡御行列(闘鶏楽)
渡御行列(舞姫・巫女) 渡御行列(神輿)
獅子舞(いなか工芸館前) 神事(いなか工芸館前)
豊栄の舞(いなか工芸館前) 闘鶏楽(いなか工芸館前)
獅子舞(いなか工芸館前) 獅子舞(道中)
闘鶏楽(道中) 浦安の舞(振興事務所前)
囃子方(振興事務所前) 獅子舞(振興事務所前)
獅子舞(振興事務所前)
獅子舞(道中) 闘鶏楽(道中)
闘鶏楽(神社) 獅子舞(神社)