例祭・親子獅子舞(飛騨総社)

【祭礼日】5月4~5日
【場 所】飛騨総社(高山市神田町2-114)

【日 程】神輿神幸=4日・5日とも12:45(神社出発)、16:00~16:45(御旅所祭)、17:30(神社還御)

親子獅子舞=4日・5日とも8:00~17:00(巡行)、17:30~18:30(闘鶏楽・獅子舞=神社)

飛騨総社は飛騨国18社の総社で、例祭では神輿神幸の行列とは別に親子獅子舞が巡行がします。神輿神幸・親子獅子舞とも4日は神社の北側を、5日は神社の南側を神幸・巡行します。御旅所は宮川に架かる鍛冶橋の袂にあります。

今回は、午前中から午後にかけて同じ高山市内にある錦山神社の獅子舞・鶏芸を見学した後、飛騨総社の親子獅子舞を見学しました。

高山市内を南北に流れる宮川を渡り本町通りに入ると、タイミングよく飛騨総社に向かって北上する親子獅子舞の一行に出会いました。

二人立ちの獅子が10頭、歩行者天国になった広い通りで舞います。獅子の舞方は、獅子の胴幕と同じ緑色の上衣・股引を着け、黒足袋・草鞋を履いています。前足役で獅子頭を持つのは子供、後足役が大人です。親子獅子舞といわれる所以です。

獅子頭を地面すれすれにして振ったり、獅子頭を持った子供を肩に乗せ後足役の大人が立ち上がったり、さらに獅子頭を後にのけ反らしたりします。高山市内では見かけない珍しい獅子舞です。

囃子方は、草色の狩衣(カリギヌ)・紫の袴姿で笛を吹く女性約10人と、笛方と同じ衣装に立烏帽子(タテエボシ)を被る太鼓打ち1人です。太鼓打ちは、両端に紅白の房が付いた2本の撥(バチ)で、太鼓台に据えられた締め太鼓と直径70~80cmもある平太鼓を打ちます。

舞曲は、「巻上げ」「曲」「おばこ」「おちゃえ」「竹に雀」「新版」「ちゃんでこ」「高い山」「へんべまむし」の9曲あり、この他に舞いを伴わない「道行」と「下かい道」があるそうです。

親子獅子舞の行列が飛騨総社に宮入りすると、最初に、闘鶏楽(トウケイラク)が奉納されます。

楽は江戸時代から飛騨地方に伝わる芸能で、鉦打ちが輪になって鉦を撞木(シュモク)で「カンカコカン」と打ち鳴らします。

飛騨総社の楽の踊り子は人数が多く、大人約10人が作る輪の外に子供数十人が輪を作り二重の輪になって踊ります。

踊り子は、鳳凰と龍の紋様を染めた白地の長着姿に黒の帯を締め一文字笠を被り、白足袋・草履を履き、首から吊るした鉦を左手に持ち、撞木を右手に持っています。大人の中のリーダーらしき4人は鳳凰の文様の代わりに市松模様に染めた長着を着ています。

楽の次に親子獅子舞が奉納されます。親子獅子舞の市内巡行は、先ほど見学した本隊の他に二つの分隊が別々に巡行しており、飛騨総社では三つに分かれていた20頭ほどがそろって舞います。一つの神社にこれほどの数の獅子がそろうのは他では見かけません。

夕闇の中、獅子舞は30分ほど続きますが、最後に「へんべまむし」が舞われます。「へんべ」とは蛇のことで、地に置かれた長さ40~50cm、背が青や鼠色の蛇を20頭の獅子がそれぞれ咥え取った後、勇壮に舞います。へんべまむしは飛騨総社境内でしか舞われないそうです。

 

親子獅子舞(本町通り)

 

親子獅子舞の子方                          獅子舞の囃子方

 

親子獅子舞(七日町)

 

闘鶏楽(飛騨総社)

 

へんべまむし(飛騨総社)

祭りの栞(トップ)

 

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