御田植神事(南宮大社)

【祭礼日】5月4日
【場 所】南宮大社(不破郡垂井町宮代1734-1)

【日 程】15:00~15:30

南宮大社の例大祭の前日5月4日、楼門内の広庭で「御田植神事」が行われます。祭場の四隅に忌竹を立て注連縄を張り巡らした中の一画を田と見立てます。

本殿での神事が終わると、田の周囲三方に敷かれた茣蓙に御田植神事の早乙女と囃子方(笛・太鼓・鼓)・歌方・所役(鍬役・杁(エブリ)役)が座り、社殿側に置かれた床几に神職が腰掛けます。

御田植神事の早乙女は宮代の3才~5才の幼女21人が務めます。宮代は4地区に分かれており、南宮大社の例大祭で「還幸舞」を担当する年交代の「踊り番」の1地区から御田植神事の早乙女を6人、他の3地区から各5人、合計21人の早乙女が選ばれます。

早乙女は、華やかな振袖姿に色とりどりの襷・赤の前掛け・紫の脚絆を着け白足袋に草履を履き、髪には折紙で作った金の雄蝶や銀の雌蝶を飾っています。

笛・太鼓・鼓の囃子方は素襖(スオウ)姿に侍烏帽子(サムライエバシ)を被り、歌方2人は裃姿に扇子を持ち、鍬・杁の所役は紋付袴姿に白の襷を掛けています。いずれも男児です。

神事の奉仕者全員が座に揃うと、最初に、鍬役が田の中央の盛り土に鍬を入れ「田起こし」の所作を、次に、杁役が杁で「田均し」の所作を行います。次に、所役の一人が竹籠に入った松葉の苗束を田の中央に2列に並べます。

苗配りが終わると、囃子方の囃子に合わせ歌方が「田植え唄」26節を歌います。

歌の後半で歌方の一人が拍子木を打つと早乙女は一斉に立ち上がり、次の拍子木の合図で草履を脱ぎ捨て田の中に入り松苗を手に取り、それぞれ自席の方に後戻りしながら松苗を縦一列に並べます。母親の手を借りる子もいますが、あっという間に終わります。

御田植神事で早乙女が髪に飾っている金銀の雄蝶・雌蝶は大切に保存し、嫁入りに際し箪笥に納めて嫁ぐのだそうです。

<田植え唄>

一、植え植えそとめ 田笠こうてとらそうぞ 田笠こうてたもるなら なおも田をも植えようよ

一、懸想文とらそうぞ けそぶみたもるなら なおも田をも植えようよ

一、けそぶみ持ちたりとも なにがおしぞ みめわるゆたことのつらにくさよ

一、みとみとすまして 水鏡をみたりとも

一、美濃のお山の白玉椿 こがねの花が咲きかかる こがねの花をとらそうぞ こがねの花をたもるなら なおも田をも植えようよ

    (以下省略)

 

祭場に入る早乙女                           鍬で田を起こす

 

朳で田を均す                             松苗を置く

 

囃子方(前)・歌方(後)                     松苗を取りに出る  

    

    松苗を並べる                        お田植えが終わった田

 

祭りの栞(トップ)

 

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