小雀獅子(冨士神社)

【祭礼日】5月3日
【場 所】冨士神社(飛騨市河合町稲越936)

【日 程】13:30(稲越多目的研修センター出発)、14:00(例祭神事=秋葉神社)、14:30~15:00(金蔵獅子・小雀獅子=秋葉神社)、15:20(例祭神事=冨士神社)、16:30~17:00(金蔵獅子・小雀獅子=冨士神社)

小雀獅子の由来については明らかではありませんが、一説によると天正13年(1585年)年、稲越(イナゴシ)地区東側の湯峰(ユミネ)峠にあった小鷹利(コタカリ)城が落城した際、その家臣達が逃げ延びこの地に身を隠し百姓として居住し、氏神様である富士権現に獅子舞を奉納したのが始まりとされています。

小雀獅子は冨士神社と秋葉神社の例祭の中で、「闘鶏楽(トウケイラク)」・「金蔵(キンゾウ)獅子」とともに奉納されます。

楽は、江戸時代から飛騨地方に伝承されている芸能で、鉦打ちと太鼓打ちが輪になって鉦・太鼓を打ち鳴らしながら踊ります。なぜか今年は楽の姿は見かけませんでした。

【金蔵獅子】金蔵獅子は飛騨から越中にかけ各地に伝承されている芸能で、天狗面をつけた男神(金蔵)とお福面をつけた女神(おかめ)が協力して、田畑を荒らす獅子(猪・鹿など)を退治する物語を演じます。

冨士神社の金蔵獅子では、天狗面の代わりに、花柄の袖付き襦袢・白の短パン姿に赤の前垂れ・赤の手甲・黒のストッキングを着け、白の襷を掛け白の鉢巻を締める若者2人が登場します。

また、おかめの代わりに、錦の上衣・軽衫(カルサン)袴姿に袖なし半纏を羽織り炮烙(ホウラク)頭巾を被り、瓢箪を腰にぶら下げ五色の房の付いた短棒を両手に持つ男児1人が登場します。3人とも顔化粧しています。

一般の獅子舞は、獅子に神格があってその威力によって悪魔が祓われるのですが、金蔵獅子では金蔵によって獅子が退治されるという筋書きになっています。

【小雀獅子】二人立ちの獅子が四方の神々に向かって舞った後、前舞と後舞が交互に肩車をしたりします。獅子の前に田を表すとされる碁盤が持ち出されると、獅子はこれに興味を示し前舞が後舞を肩車したまま碁盤の上に乗ります。これが小雀獅子の一番の見どころです。

祭礼当日午後、稲越多目的研修センターで身支度を整え、幟・獅子・囃子方・小太鼓・大太鼓・楽人・神職などの順で行列を組んで秋葉神社に向かいます。

秋葉神社で例祭神事が行われ、舞姫2人による「豊栄(トヨサカ)の舞」が奉納された後、金蔵獅子が奉納されます。

笛・太鼓の囃子に合わせて、花柄の襦袢姿の若者2人と炮烙頭巾の男児が、最初は、両端に五色の房が付いた綾棒2本を両手に持って踊ります。

次に、獅子が登場すると、花柄襦袢の若者は片端に五色の房の付いた長さ1mほどの綾棒1本に持ち替え、獅子の正面に立ち獅子と闘います。炮烙頭巾の男児は獅子の後ろで花柄襦袢の若者の真似をしながら踊ります。獅子が四方に向き位置を変えると花柄襦袢の若者と炮烙頭巾の男児も位置を変えます。

やがて獅子が地に横たわると、3人は獅子の上を飛び越し獅子の傍に横一列に座り、瓢箪のお酒をラッパ飲みしたり煙管の煙草をふかしたりする所作をします。炮烙頭巾の男児は酔っ払いのようにしてふらふらと獅子の周りを歩いたりします。

瓢箪のお酒を飲み干した3人が獅子に大声を掛けると獅子は起き上がり、3人と獅子は再び闘い合い、最後に獅子は打ち取られて金蔵獅子舞は終わります。

次に、小雀獅子が奉納されます。獅子は金蔵獅子と同じ獅子です。凸凹の地面に敷かれたビニルシートの上で舞うので、肩車などのアクロバットは控えめに行われ、碁盤には片足を置くだけで終わります。

秋葉神社での行事が終わると、行列を組み直して冨士神社に向かいます。冨士神社では長時間の例祭神事が行われた後、拝殿で金蔵獅子と小雀獅子が奉納されます。ここでの小雀獅子は、軽快に舞い肩車した獅子が碁盤の上に乗ります。

 

秋葉神社へ向かう(獅子)                   秋葉神社へ向かう(楽人)

 

例祭神事(秋葉神社)                      豊栄の舞(秋葉神社)

 

金蔵獅子(秋葉神社)

 

小雀獅子(秋葉神社)

 

  冨士神社へ向かう                        金蔵獅子(冨士神社)

 

金蔵獅子(冨士神社)                     小雀獅子(冨士神社)

祭りの栞(トップ)

 

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